うつ以外のメンタルヘルス不調
みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回は、「うつ以外のメンタルヘルス不調」についてです。
うつ以外のメンタルヘルス不調①、②と題して順に説明していこうと思います。
この記事はこんな方におすすめ!
うつ以外のメンタルヘルス不調①
ここでは、躁うつ(そううつ)病、統合失調症の特徴と
アルコール依存症についてみていきます。
躁うつ病の症状と特徴
人口の0.5%前後にみられる病です。
「うつ病」と「躁病(そうびょう)*1」という2つの病態が認められます。
躁うつ病には、以下の特徴があります。
双極性障害とは?
躁うつ病は「双極性障害」と呼ばれ、主に2つの類型に分けられます。
◇双極Ⅰ型障害
入院治療の明確な躁状態を伴うもの
◇双極Ⅱ型障害
躁状態は比較的軽度で、入院に至らないもの
Ⅰ型を躁うつ病と診断することが多くありましたが、
気分の高揚やイライラが4~5日間続く抑うつ状態の場合は、
Ⅱ型の可能性を視野に入れることが望ましいと考えられています。
統合失調症
主な症状は?
統合失調症は、生涯有病率が0.55%とされ、
10代前半から30代前半の若者に発症しやすい疾患とされています。
症状は感情と意欲の面で目立つようになります。
特徴的な症状をまとめると、以下のようになります。
◇妄想
被害妄想(周りの様子を自分に結びつけて悪さをされていると思い込む)、
誇大妄想(自分は優れていると思い込む)
◇幻聴
自分の悪口が聞こえる、嫌な噂話が聞こえるなど
陽性症状(妄想や幻聴など)が消えた後も、
陰性症状(コミュニケーション障害、意欲や自発性の欠如、引きこもり傾向など)は
後遺障害として残りやすいため、仕事をしながら療養することは難しく
長期の休職が必要になります。
陽性症状には薬物療法が有効ですが、
陰性症状には十分な成果が出ない場合も多く、
休業・復職には長期的な視点を持った支援が必要になります。
アルコール依存症
職場での問題行動として、
飲みすぎによる遅刻や欠勤、出勤時のアルコール臭、
飲み会での逸脱行為などが現れます。
アルコール依存症の経過
症状は、次のような経過をたどります。
①つきあいでたまに飲む(機会飲酒)
②毎日飲むようになる(習慣飲酒)
③緊張をほぐしたり、寝つきをよくするためにアルコールの力を必要とする
④頻回のブラックアウト(飲酒時の記憶の欠落)を経験する
⑤毎日飲まずにいられなくなり(精神依存)、周囲が飲みすぎを心配するようになる
⑥飲酒に後ろめたさを感じ、一人で飲んだり隠れて飲むようになる
⑦アルコールが切れた時に、手の震え、不快感、イライラ感、発汗、微熱、
不眠といった症状が出る(身体依存)
アルコール依存症の治療方法
治療としては、完全断酒が原則で精神科専門施設での入院治療は必要になります。
退院後の断酒継続のためには、家族の協力や断酒会、
AA(匿名アルコール依存症者の会)のような
自助グループへの継続的な参加が欠かせません。
うつ以外のメンタルヘルス不調①まとめ
◎軽度の躁うつ病では活動性が高まり仕事の生産性も向上するが、
症状が進行すると言動にまとまりがなくなり、生産性が低下する
◎アルコール依存症の治療は、完全断酒が原則
◎統合失調症が疑われた場合、個人の回復の程度に応じた働き方や
周囲のサポートを提供できれば、状態の安定に貢献できる
うつ以外のメンタルヘルス不調②
書いていきたいと思います。
芸能人やジャニーズメンバーも発症したパニック障害とは?
Sexy Zoneの松島聡くんやKing&Princeの岩橋玄樹くんが発症したことでも
知られるパニック障害とは、一体どのようなものなのでしょうか?
急に生じる切迫感やを伴う短い不安を不安発作といいます。
動悸、発汗、口渇、頻尿、息苦しさ、めまいなどの症状を伴いますが
身体的には異常が認められません。
また不安発作が起こるのではないかという恐れ(予期不安)から、
外出や乗り物を避けるようになります。
これを外出恐怖、または広場恐怖といいます。
この不安発作を繰り返す旧姓の障害が、パニック障害です。
行動療法の他、薬物療法を中心に治療法はある程度確立しており、
経過は良好であることが多いのですが、
服薬は1年以上継続することが必要とされています。
適応障害
どんな場合に発症する?
適応障害は、生活上の重大な変化や強いストレスに対して
個人の対処能力を超えた際に発症します。
主な症状
情緒的(不安、憂うつな気分)または無断欠勤、喧嘩、無謀運転などの
行為上の障害を、仕事や日常生活で引き起こします。
ストレッサーの発生から1~3ヶ月以内に発症し、
症状は通常6ヵ月は超えないとされています。
適応障害の職場での対応の仕方
職場での対応の仕方としては、環境調整だけでなく本人の脆弱性や
対処能力を高めるべく介入し、ストレッサーを軽減すると同時に
個人のストレス対処能力を高める観点が重要になります。
睡眠障害は大きなミスの要因になる
睡眠の障害は、
脳の高次機能(注意力や集中力、問題解決力など)の低下を招き、
業務上のミスや事故などの大きな精神疾患とも関連しています。
原因により治療法は異なるため、
専門医による診断を行うことが大切です。
睡眠障害の種類と特徴
◇不眠症
・週に3回以上眠れない状態が1ヵ月にわたって続き、本人が苦痛を感じたり
社会的活動に支障をきたしたりする場合に診断される
・多くの精神疾患で併発する
◇過眠症
・昼間に我慢できない眠気に襲われ、通常では考えられない状況下で
発作的に眠ってしまうもの
◇概日リズム睡眠障害
・個人の睡眠覚醒リズムと社会生活時間帯との大きなずれで生じる
・不規則で浅い睡眠、疲労感、めまいや立ちくらみなどの症状
・時差症候群や交代制勤務による睡眠障害、睡眠相交代症候群などがある
◇睡眠関連呼吸障害
・睡眠中の呼吸障害に溶離発症する
があり、のどの構造異常や、肥満によって気道が狭くなる閉塞性タイプと
呼吸運動自体に異常が出る中枢性タイプがある
重要!職域における睡眠障害
労働者によく認められる睡眠障害は、
リスクマネジメントの観点からも見過ごせない疾患の1つです。
本人が気づきにくい睡眠時無呼吸症候群は、
大きな事故につながることもあるので注意は必要です。
また、睡眠障害に起因する作業効率低下による経済損失の大きさも指摘されています。
うつ以外のメンタルヘルス不調②まとめ
◎カフェインやアルコールの他、喘息、アトピー性皮膚炎や
ステロイド製剤なども不眠になる可能性がある
◎適応障害は、強いストレスがかかったことを契機に起こる
◎パニック障害は治療法が確立しており、予後は良好なことが多いが、
1年以上は服薬を継続する必要がある
*1:うつとは対照的
*2:過眠症の代表的な病気です。過眠は睡眠不足でも起きますが、睡眠時無呼吸症候群などが影響していることも考えられます。ナルコレプシーの特徴は、笑ったり驚いた時などに体の力が急に抜けてしまう「情動脱力発作」が起きることと、日中耐え難い眠気が長期間起こることです。どちらの症状も、会社や学校でこの症状が起こると周りの人から驚かれたり、怠けていると誤解されてしまうこともあります。日本では全国で20万人の患者がいる、決して稀ではない病気です。このナルコレプシーは、多くの場合思春期を中心に10歳代から症状が出始めます。発生頻度に男女の差はありません。
*3:10秒以上無呼吸の状態が繰り返される