帳簿の記入⑥商品有高帳
皆さん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回は、「商品有高帳の記入方法」です。
ユメノ店は商品の在庫を管理するために、
商品有高帳を作成して記入することにしました。
どのように記入していくのか、みていきましょう。
例題
<取引>
今月の商品(キャンドル)の仕入れと売り上げの状況は次の通りである。
11月1日前月繰越 10個 @10円
6日仕入 20個 @13円
12日売上 15個 @22円(売価)
18日仕入 15個 @16円
25日売上 18個 @25円(売価)
商品有高帳の形式
商品有高帳は商品の種類別に、仕入れ(受け入れ)や売上げ(払い出し)の都度、
数量、単価、金額を記録して商品の増減や在庫を管理するための帳簿です。
商品有高帳
キャンドル
日付 | 受入 | 払出 | 残高 | ||||||
数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | |
・受入欄…仕入れた(受け入れた)商品の数量、単価。金額を記入
・払出欄…売り上げた(払い出した)商品の数量、単価、金額を原価で記入
・残高欄…残っている商品の数量、単価、金額を記入
商品有高帳の記入方法
同じ商品でも、仕入れ時期によって仕入れ単価が異なる場合があります。
仕入れ単価の異なる商品を売り上げた時、
いくらの仕入単価のものを売り上げたかによって
商品有高帳の払出欄に記入する金額が異なります。
払い出した(売り上げた)商品の1個あたりの仕入原価を、払出単価といいます。
※商品の払出単価の決め方には、いくつかの方法がありますが、
3級では先入先出法と移動平均法を学びます。
それでは、先入先出法と移動平均法の
それぞれの記入の仕方についてみていきましょう。
先入先出法
先入先出法とは、先に受け入れたものから先に払い出したと仮定して
商品の払出単価を決める方法です。
先入先出法の場合、単価が違う商品を受け入れたら分けて記入します。
例題の取引を先入先出法で記入すると、以下のようになります。
商品有高帳
キャンドル
(先入先出法)
日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 | ||||||
数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | ||
11月1日 | 前月繰越 | 10 | 10 | 100 | 10 | 10 | 100 | |||
6日 | 仕入 | 20 | 13 | 260 | {10 | 10 | 100 | |||
{20 | 13 | 260 | ||||||||
12日 | 売上 | {10 | 10 | 100 | ||||||
{5 | 13 | 65 | {15 | 13 | 195 | |||||
18日 | 仕入 | 15 | 16 | 240 | {15 | 13 | 195 | |||
15 | 16 | 240 | ||||||||
24日 | 売上 | {15 | 13 | 195 | ||||||
{3 | 16 | 48 | 12 | 16 | 192 | |||||
30日 | 次月繰越 | 12 | 16 | 192 | ||||||
45 | ー | 600 | 45 | ー | 600 | |||||
12月1日 | 12 | 16 | 192 | 12 | 16 | 192 | ||||
月末の残高欄の数量、単価、金額を「次月繰越」として赤字で記入
(試験では黒字で記入)
移動平均法
移動平均法は商品の受け入れの都度、平均単価を計算して
その平均単価を払出単価とする方法です。
商品有高帳
キャンドル
(移動平均法)
日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 残高 | ||||||
数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | 数量 | 単価 | 金額 | ||
11月1日 | 前月繰越 | 10 | 10 | 100 | 10 | 10 | 100 | |||
6日 | 仕入 | 20 | 13 | 260 | 30 | 12 | 360 | |||
12日 | 売上 | 15 | 12 | 180 | 15 | 12 | 180 | |||
18日 | 仕入 | 15 | 16 | 240 | 30 | 14 | 420 | |||
24日 | 売上 | 18 | 14 | 252 | 12 | 14 | 168 | |||
30日 | 次月繰越 | 12 | 14 | 168 | ||||||
45 | ー | 600 | ||||||||
12月1日 | 前月繰越 | 12 | 14 | 168 | ||||||
6日の仕入の残高は、
数量:10個+20個=30個
金額:100円+260円=360円
単価:360円÷30個=@12円
となります。
また、18日の仕入の残高は、
数量:15個+15個=30個
金額:180円+240円=420円
単価:420円÷30個=@14円
となります。
売上原価と売上総利益の計算方法
払出の金額欄に記入している、
合計432円(12日の売上180円と24日の売上252円)は、
売上原価を表します。
したがって、売り上げた金額(売上高)から
払出欄の合計金額(売上原価)を差し引くと、
その商品の利益(売上総利益)を計算することができます。
売上高ー売上原価=売上総利益
まず、売上高を求めます。
取引をまとめると、次のようになるので…
11月1日 前月繰越 10個 @10円
5日 仕入 20個 @13円
12日 売上 15個 @22円(売価)⇒@22円×15個=330円
18日 仕入 15個 @16円
24日 売上 18個 @25円(売価)⇒@25円×18個=450円
売上高は
330円+450円=780円 となりますね。
次に、売上原価を計算します。
売上原価は商品有高帳の払出欄の合計金額なので、
180円+252円=432円
となります。
よって、売上総利益は
780円ー432円=348円
となります。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!
次回もお楽しみに…♪