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メンタルヘルス対策①社内資源の活用

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、「社内資源」についてです。

 

  • 社内資源の種類
  • それぞれの資源の役割と立場   についてみていきましょう。

 

この記事はこんな人にオススメ!

メンタルヘルスマネジメントの勉強をしている方

メンタルヘルスに興味がある方

メンタルヘルスの知識をつけたい方

 

 

 

 

 

事業場内の産業保健スタッフと人事労務管理スタッフ

 

社内資源の中の産業医保健師衛生管理者のことを、

事業場内産業保健スタッフと呼びます。

 

人事労務管理スタッフ(総務・人事など)や管理監督者は、

事業場内産業保健スタッフとの連携や活用が非常に重要なポイントになります。

 

 

健康維持をサポートする産業医

 

産業医は事業場の規模に応じて選任される

 

1,000人以上の労働者がいる事業場や

有害な業務に常時500人以上の労働者を従事させている事業場では、

専属産業医を選任する必要があります。

 

50人以上の労働者がいる事業場では、

嘱託の産業医が月に1度事業場を訪問することになっています。

一定の条件を満たしていれば、2か月に1度も可能です。

 

 

産業医の要件

 

産業医は法令に基づき、一定の要件を備えていることが必要です。

 

要件を満たすために修了する研修には、

メンタルヘルスに関する項目も含まれます。

 

 

健康診断や面接指導を通して助言を行う

 

産業医は、健康診断面接指導を行います。

 

医療の専門家として労働者の症状を評価し、

健康を維持できるように配慮・助言する立場にあります。

 

そのため、労働者の健康を守るために

労働者の意に反した意見をすることもあります。

 

休職していた労働者の復職については、主治医と情報交換をします。

 

労働者の疾病の状況や業務遂行能力に応じて、

  • 就業上必要な配慮や業務内容
  • 環境改善の提案

 

などの社内制度に基づいたアドバイスを実施します。

 

 

職場巡視産業医の職務の一つです。

 

 

病名を決める診断や治療は主治医の役割なので、

産業医が診断・治療を行うことはありません。

 

 

 

保健師・看護師は疾病予防が主な役割

 

保健師・看護師の所属先と主な役割

 

保健師・看護師は健康保険組合や健康管理室などに所属しています。

 

  • 保健指導
  • 健康への相談、教育
  • 疾病予防

 

をすることが主な役割です。

 

 

保健師・看護師は疾病の診断はできない

 

保健師・看護師は疾病の診断はできませんが、

以下のような重要な役割を果たしています。

 

 

 

健康教育には、メンタルヘルス教育も含まれます。

 

 

職場環境の評価・改善を行う衛生管理者

 

メンタルヘルス不調者の早期発見とスピーディーな対応

 

メンタルヘルス対策の計画に基づき

  • 教育研修の企画
  • 相談窓口などの体制づくり
  • 職場環境の評価と改善       を図ります。

 

また、産業医保健師、人事労務管理スタッフと連携して

メンタルヘルス不調者を早期に発見し、素早い対応を図る役割を担っています。

 

労働安全衛生法(第12条)では、

常時50人以上の労働者を使用する事業場は、

その規模によって一定人数の衛生管理者の選任義務があります。

 

50人未満の比較的小規模の事業場についても、

常時10人以上50人未満の労働者を使用する場合は、衛生管理推進者を選任します。

 

 

 

人事労務管理スタッフは人事労務の観点から支援を行う

 

メンタルヘルス対策において大切なことは、

メンタルヘルス不調を早期に発見し改善していくことです。

 

その大きな役割を担うのが、この人事労務管理スタッフです。

 

産業医と連携しながら、

労働者の業務の軽減や時間外労働の制限、異動・配置転換などの

メンタルヘルス不調に対する人事労務管理上で適切な配慮をすることが重要です。

 

 

 

事業場内産業保健スタッフの選任義務

 

労働安全衛生法に基づき、

事業場における労働者数に応じて次のように定められています。

 

 

産業保健スタッフが医療機関と連携する際には、

基本的に本人の同意を得る必要があります。

 

スタッフ 選任義務
産業医 労働者が常時50人以上いる場合は選任しなければならない。
(常時1,000人以上の場合は、専属産業医の選任が必要)
選任しなかった場合、罰則規定がある。

保健師

看護師

労働者数に関わらず、選任義務はない
衛生管理者 労働者が常時50人以上いる場合は選任しなければならない。
選任しなかった場合、罰則規定がある。
衛生推進者 常時10人以上50人未満の労働者を使用する場合は選任しなければならない。

 

 

 

メンタルヘルス対策における社内資源の役割

 

社内資源の役割をまとめると、以下のようになります。

 

 

◇社内資源の役割

 

スタッフ メンタルヘルス対策についての役割
産業医

・病気の状態の評価(病態のアセスメント)

 

・休職者に対する復職の可否の意見

 

ストレスチェック制度による

 高ストレス者の面接や指導

 

・就業上の配慮についての提案

 

・社内の関係各部署との連携

 

・職場環境の改善についての提案

 

・主治医との情報交換や連携

 

メンタルヘルス対策の企画や教育実施、

 個人情報の保護

 

保健師・看護師

メンタルヘルス不調者の早期発見と

 フォローアップ、相談窓口


産業医、人事労務管理スタッフ、

 管理監督者との連携


メンタルヘルス対策の企画や教育実施


ストレスチェック制度の実施者

 

衛生管理者

メンタルヘルス不調者の早期発見


メンタルヘルス対策の実施

 (教育研修の企画など)


・関係各部署との連携と調整


メンタルヘルス不調者の

 プライバシーへの配慮

 

人事労務管理スタッフ

メンタルヘルス不調者の早期発見


・健康配慮義務を果たすための労務人事管理


・人事労務施策

 (キャリア形成やEAP*1との連携など)


メンタルヘルス不調者の

 プライバシーへの配慮

 

心理職
臨床心理士・公認心理士、

産業カウンセラー
キャリアコンサルタント

心理担当相談者など)

メンタルヘルス不調者の相談窓口と早期発見


・就業上の配慮の助言


産業医、人事労務管理スタッフ、

 管理監督者との連携


メンタルヘルス対策の企画や教育実施


メンタルヘルス不調者の

 プライバシーへの配慮

 

 

 

メンタルヘルスの専門家は社内外にいる

 

上記で挙げたほかにも、メンタルヘルスの専門家は社内外にいます。

社内外の専門家の特徴も覚えておきましょう。

 

 

◇社内外の専門家の特徴

 

スタッフ 特徴 資源
精神科医心療内科

・国が定めている規定はない


・それぞれ日本精神神経学会

 日本心身医学会が認定

 

社内

社外

精神保健指定医

・国が要件を定めている


精神保健福祉法による措置入院を判定する

 精神科医

 

社内

社外

精神保健福祉士
(国家資格)

精神障害などに対して相談援助を行う

 (ソーシャルワーカー


・必要な研修を受けると、

 ストレスチェック制度の(共同)実施者になれる

 

社外

カウンセラー・

産業カウンセラー
キャリアコンサルタント(国家資格)

産業カウンセラー

 日本産業カウンセラー協会が認定


・悩みについてのカウンセリングを行い、

 問題解決のためのアドバイスをする

 

社内

社外

臨床心理士・公認心理士(国家資格)

・臨床心理学の技術を用いて、

 心の問題を扱う専門家


・(公財)日本臨床心理士資格認定協会が認定


・公認心理士法により、

 2017年9月から公認心理士が誕生

 

社内

社外

心理相談担当者

・研修を受けて資格を取得


トータル・ヘルスプロモーション・プラン(THP)の担い手


・職場で産業医の指示のもと、

 必要な人にメンタルヘルスケアを提供する

 

社内

社外

 

まとめ

◎事業場内産業保健スタッフとは、産業医保健師・衛生管理者のこと

◎事業場内産業保健スタッフとの連携が大切

メンタルヘルス不調者の早期発見とスピーディーな対応が求められる

*1:従業員支援プログラムの略