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メンタルヘルス対策②社外資源の活用

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

 

今回は「社外資源の活用」についてです。

 

 

  • 外資源の種類
  • それぞれの資源の役割と立場

 

についてみていきましょう。

 

この記事はこんな人にオススメ!

メンタルヘルスマネジメントの勉強をしている方

メンタルヘルスに興味がある方

メンタルヘルスの知識をつけたい方

 

 

 

 

公共の相談機関の活用

 

「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(2006年、厚生労働省)には、

事業所はメンタルヘルスケアに関して専門的知識を持つ

各種の事業場資源を活用することが有効とされています。

 

事業場資源には、一体どのようなものがあるのでしょうか?

順を追ってみていきましょう。

 

 

行政機関と保健所

 

労働衛生・産業衛生の分野での行政機関として、

労働基準監督署・労働局があります。

 

 

この機関では、心の健康づくり

メンタルヘルス対策の基本的な情報発信や指導を行っています。

 

 

厚生労働省が運営する「こころの耳」というホームページでは、

労働者・家族・上司や同僚・産業保健スタッフなどの支援者を対象に、

それぞれが必要なメンタルヘルスに関する情報を得ることができます。

 

 

また、身近なところでは

都道府県や政令指定都市などに設置されている保健所

市区町村ごとに設置されている保健センター

相談や訪問指導などの保健活動を実施しています。

 

対象者は地域住民となっています。

 

 

「労働安全衛生」に関する公的機関

 

労働安全衛生分野の公的機関は、大きく分けると

 

それぞれの特徴は、以下のようになっています。

 

中央労働災害防止協会(中災防)


労働災害防止団体法に基づいて設立された機関。

事業主が自主的に労働災害防止活動を促進し

労働災害を絶滅させることが目的で、
情報提供・意識向上運動・コンサルティング

教育研修などを実施。

メンタルヘルス対策事業では、

入門的支援、現状チェック、
心の健康づくり計画の支援、意識向上・方針策定、

仕組みづくり、教育研修、ストレスチェック

セルフケア援助など、様々な支援を有償で行う

産業保健総合支援センター


・事業主などに対し、職場の健康管理の啓発を

 実施する産業保健スタッフを支援する機関。


 相談窓口にはメンタルヘルスやカウンセリングの

 専門家を配置しており、労働者健康安全機構

 よって全国47都道府県に設置。

・地域窓口(通称、地域産業保健センター)が

 設置され、小規模事業場(50人未満の事業場)と

 その従業員を対象とし、メンタルヘルスの相談や

 産業保健サービスを無料で実施

 

 

 

 

 

メンタルヘルス対策」に関する公的機関

 

メンタルヘルス対策に関する公的機関は、大きく分けると以下の5つがあります。

 

自殺総合対策推進センター


自殺予防への政府の対応を支援するため、独立行政法人

国立精神・神経医療センター精神保健研究所に

設置された機関。

自殺予防対策に関する情報の収集・発信、実態分析、

支援ネットワークの構築、自殺予防対策等の研修、

自殺未遂者・自殺遺族のケアなどを行う。

センターのホームページで、

メンタルヘルスに関連した相談窓口一覧を掲載。

精神保健福祉センター


精神保健・精神障害者福祉において、
知識の普及や調査研究を実施し、相談の窓口ともなる。

精神保健福祉法に基づいた、精神保健福祉に関する
総合的な技術センターという位置づけで、
都道府県及び政令指定都市に設置。

(東京都のみ3ヵ所、他は1ヵ所)

 

勤労者メンタルヘルスセンター


労災病院に設置されるメンタルヘルス専門センター。
ストレス関連疾患の診療を行い、

相談窓口としての機能もある。

メンタルヘルスに関する研究や、
勤労者・医療従事者などを対象とした研修なども実施する。

 

地域障害者職業センター


精神障害で休職している労働者が職場復帰をする際に

必要となる、ジョブコーチの派遣や

リワーク(職場復帰支援)*1を実施。

都道府県に設置されており、支援内容は各センターで異なる。

 

こころの耳 

電話相談・


こころの耳 

メール相談


どちらも厚生労働省が設置。

「こころの耳 電話相談」は

メンタルヘルス不調者や過重労働による健康障害、
ストレスチェック制度について、電話で相談できる。
対象は、労働者や家族、企業の人事労務管理担当者。

「こころの耳 メール相談」は、

産業カウンセラーなどの相談員による
メールでのメンタルヘルスの相談窓口

 

 

 

民間の相談機関

 

健康保険組合

 

健康保険法に基づき、保険給付のほかに

健康相談や健康診査などを行います。

 

 

カウンセラーや臨床心理士

メンタルヘルスの知識を持つ保健師・看護師などが

面談や電話相談の実施します。

 

事業所と協力して「セルフケア」「ラインによるケア」といった

教育を実施するところもあるなど、各組合によって内容は様々です。

 

 

 

外部EAP機関

 

EAPとは、従業員支援プログラムのことです。

EAPがどのような背景で実施されるようになったのかをみていきましょう。

 

 

 

EAPの始まりは、1940年代のアメリカにまで遡る

 

EAP(Employee Assistance Program : 従業員支援プログラム)は、

1940年代のアメリカで、アルコール依存者のケアをする活動から

始まったといわれています。

 

1960年代、労働者のアルコール薬物依存によって生産性が低下し

治療費用が増大するなど、企業経営上の大きな課題となっていました。

 

しかし、EAPサービスを提供する会社が現れたことで

明らかな効果が示されるようになりました。

 

1980年代になると、このプログラムはアルコールの問題以外にも

 

  • 身体・心理的問題 
  • 行動上の問題
  • 家族の問題
  • 経済的な問題

 

なども含めて対応するように変化していきました。

 

 

 

EAPの役割

 

外部EAP機関は、企業に対して

組織の生産性に関わる問題を見つけて支援します。

 

社員に対しては、仕事の業績パフォーマンス)に影響を与える

個人的な問題を見つけて支援します。

 

 

この場合の個人的な問題とは、

 

  • 健康
  • 結婚・家族問題
  • 経済
  • 法的問題
  • 人間関係
  • アルコール・ドラッグ中毒
  • ストレス           などのことを指します。

 

 

 

企業がこうした外部EAP機関と契約し

メンタルヘルスに関する業務を委託することで、

メンタルヘルスの整備が可能となります。

 

より専門性の高いサービスの提供が期待できるのです。

 

 

外部EAP機関に対して、内部EAP機関というものがあります。

 

内部EAP機関とは、企業内に専門のスタッフを抱え

上記と同様のサービスを行う機関のことです。

 

内部EAP機関は社内資源となります。

 

 

 

EAPには、以下の機能があります。

 

・組織に対する職業性ストレスの評価・コンサルテーション*2
 
・労働者の心の健康問題に関する評価⇒治療は行わない
 
管理監督者や人事労務管理スタッフへの問題対処方法、
 EAPの適切な利用に関するコンサルテーション
 
・労働者の問題に対する適切な医療機関や相談機関への紹介とフォロー
 
・短期的カウンセリング
 
・健康問題を生じる可能性がある危機への介入
 
・従業員やその家族、管理監督者、人事労務管理スタッフに
 対するメンタルヘルス教育、EAP利用方法の教育
 
EAP機関と連携する事業場内メンタルヘルス対策の教育
 
EAPサービスの効果評価
 
 
 

その他の民間相談機関

 

そのほかにも、主に個人の相談に乗ってくれる窓口として

以下の2つがあります。

 

 

いのちの電話

 …電話相談、FAX相談(一部)などをボランティアが

  無料で実施。多くの都道府県に設置。

 

 

働く人の悩みホットライン

 …一般財団法人日本産業カウンセラー協会による

  無料電話相談。

 

 

 

まとめ

◎公共の相談機関としては、保健所と労働基準監督署がある

EAPは、アルコール依存のケアの活動から始まった

◎外部EAP機関と契約することで、メンタルヘルスの整備が可能に

 

 

 

 

*1:専門スタッフによって行われる、復職の訓練やグループワーク

*2:専門家の診断を受けること