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多様な職場ストレスの理論モデル

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、「職場ストレスの理論モデル」ついて書いていこうと思います。

 

この記事はこんな人にオススメ!

 

メンタルヘルスマネジメントの勉強をしている方

メンタルヘルスに興味がある方

メンタルヘルスの知識をつけたい方

 

 

 

 

職場ストレスの理論モデルはたくさんある

 

職場ストレスの理論モデルには、いくつかの種類があります。

その中でも代表的な4つの理論モデルについて詳しくみていきます。

 

 

職業性ストレスモデル(NIOSH)

 

一つ目は、NIOSH(米国立労働安全衛生研究所)が

職業性ストレスについての研究をまとめた職業性ストレスモデルです。

 

 

 

ストレス反応はどうやって決まる?

 

この職業ストレスモデルには、大きく分けると4つの項目があります。

 

①職場の業務負荷

②個人の要因⇒性別、年齢、婚姻、性格など(自己評価も含む)

③仕事外の要因⇒家庭の出来事や要求などのプライベートに関わること

④緩衝要因⇒上司や同僚、友人の支援など(ソーシャルサポート)

 

 

これらの4つによってストレス反応が決定づけられるとしています。

 

 

  • 個人の要因
  • 仕事外の要因
  • 緩衝要因

 

上記に述べたうちの3つは、ストレス反応や疾病を引き起こす過程で

個人に影響を与える要因となります。

 

 

仕事上のストレッサー(ストレス要因)としては、以下のようなものがあります。

 

 

  • 職場環境
  • 人間関係
  • 仕事のコントロール
  • 将来の不安
  • 役割上の葛藤
  • 量的負担
  • 交代制勤務      など

 

これらの仕事のストレッサーの影響に様々な要因が加わることで、

ストレス反応が生じているというのが、このモデルの特徴です。

 

 

ストレッサーに直面しても、

ストレスを感じる人とそうでない人がいます。

ストレスを感じても、その程度には個人差がある点に注意しましょう。

 

 

 

人ー環境適合モデル

 

二つ目は、人ー環境適合モデルです。 

 

このモデルは、

環境の欲求と、個人能力の不適合がストレスを生むという考え方です。

適材適所の良好度がストレスを左右するといわれています。

 

 

 

仕事の要求度ーコントロールモデル

 

三つ目は、仕事の要求度ーコントロールモデルです。

 

このモデルは、カラセックによって1980年代に提唱されたもので

JDーCモデルと呼ばれています。

 

 

 

JDーCモデルの特徴

 

JD-Cモデルでは、仕事の要求度の高低とコントロールの高低の

2つの軸を組み合わせることによって、

働く人々を以下のように4つのグループに分類しています。

 

 

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           仕事の要求度ーコントロールモデル

             (Karasek (1979)を一部改変して作成)

 

 

 

ストレインとは、仕事の要求度が高く

仕事のコントロール(裁量度)が低い状態のことです。

 

 

個人の仕事における裁量権に注目しているのが、

JDーCモデルの大きな特徴です。

 

仕事の要求度が高い場合でも、個人の裁量権が増やすといった

調整を行えば、ストレス反応を減少させることができるようになります。

 

 

 

仕事の要求度とコントロールが指すものとは

 

仕事の要求度は仕事に関わる様々なストレッサーのことで、

仕事の量や時間なども含まれます。

 

コントロールとは、

知識やスキルの利用範囲、仕事のやり方に対する決定権などの

個人の裁量権によって左右されるものを指します。

 

 

従業員のストレスを軽減するためには、

仕事の要求度を下げるように働きかけることが必要です。

 

また、個人の裁量権やソーシャルサポートを

仕事の要求度に見合うように引き上げるような努力も大切です。

 

 

努力ー報酬不均衡モデル

 

4つ目は、努力ー報酬不均衡モデルです。

 

このモデルは、ドイツの社会学者Siegristが提唱したものです。

Siegristは社会生活を過ごす上で、仕事は重要な「報酬源」であり

個人の願望を満たすための基本的な手段と位置付けました。

 

労働者は、報酬の対価として労働力を提供します。

 

しかし、業務に費やした「努力」と得られるべき「報酬」のバランスが

釣り合わない不均衡な状態が慢性的なストレスを

生んでしまうというのがこのモデルの考え方です。

 

 

 

報酬とは何を指すのか

 

ここからは、「報酬」について話を進めていこうと思います。

 

 

Siegristは、以下のように3つの報酬について挙げています。

 

①経済的な報酬

 ⇒金銭

 

心理的な報酬

 ⇒仕事から得られる満足感や達成感、

  周囲からの評価によって得られる自尊心など

 

③キャリア

 ⇒仕事が安定しているか、昇進の見込みがあるか など

 

 

 

重責を担ったり残業だらけの毎日を過ごしている状態は、

高い努力を求められている環境に身を置いているということになります。

 

それに見合う給料はもちろん、

やりがいや昇進といった報酬が得られない状況では

メンタルヘルス不調に陥る可能性が高くなります

 

 

金銭だけが報酬ではない

 

報酬といえば金銭を真っ先に思い浮かべてしまうかもしれませんが、

金銭だけが報酬ではありません。

 

特に大切となるのは、心理的報酬です。

 

自分の仕事やしていることを褒められると、

頑張ろうという気持ちになりますよね?

 

その気持ちはモチベーションとなって、

メンタルヘルス不調の予防にもつながっていきます。

 

そのため、心理的報酬を得られるような環境づくりが

大切になるのです。

 

 

【参考】第7回: 『努力』と『報酬』のバランス を参考に執筆

 

 

 

まとめ

◎努力と報酬が不均衡だと慢性的なストレスが生まれる

裁量権が増えるとストレスが減っていく

◎仕事以外のストレス要因が与える影響は大きい