ユメノオト

ラジオライフ

ラジオのちょっとトクする話

ストレスに強い心を育てるために

f:id:jyumeno:20200502180646p:plain


みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

 

今回は、「認知行動療法」について詳しくみていきたいと思います。

 

 

 

認知行動療法とは

 

認知行動療法が生まれた背景

 

アメリカの精神医学科医、アーロン・T・ベック博士が

認知療法」を発表したのが、認知行動療法の始まりといわれています。

 

認知療法とは、認知(考え方)を修正する療法のことです。

 

「考え方」が心の問題やコミュニケーションに

大きな影響を与えるということが、1950年代に判明します。

 

うつ病や不安障害などの精神疾患の治療法として、

認知療法が世界的に注目されるようになったのです。

 

しかし、考え方を変えるだけでは根本的な問題は解決できません

実際に行動しながら改善していくことが、大切になってきます。

 

 

そこでイギリスのクラークらは、認知療法

実際に改善しながら改善していく行動療法を組み合わせて、

認知行動療法を生み出しました。

 

 

現在では、認知行動療法うつ病だけでなく

 

などの精神疾患の治療や再発予防に効果的だといわれています。

 

 

精神医療の現場だけでなく、ビジネスマン

学校の生徒指導などにも使われるところが増加しています。

 

 

認知行動療法の基本

 

私たちは、生活する上で様々なコミュニケーションの

問題を抱えながら過ごしています。

 

  • なかなか人の中に入れず、ひとりぼっち…
  • 職場で馬が合わない上司や同僚がいて困っている など

 

 

コミュニケーションがうまくいかないと、

気分の落ち込みが長引いたり些細なことでイライラして

八つ当たりしてしまうことにもなりかねません。

 

そんなイライラの原因を解決するのに役立つのが、

認知行動療法なのです。

 

 

心のストレスを軽減するカギは、「認知」にあり

 

認知行動療法で重要となるのが、「認知」です。

 

1つの出来事に対して、受け取り方は人それぞれ違います。

事実の受け取り方やものの見方のことを、認知といいます

 

喜怒哀楽という言葉があるように、人間には様々な感情があります。

  • つらい
  • 悲しい
  • 楽しい
  • 怒り
  • 嬉しい       …など

 

 

どのように認知するかによって、感情に大きな影響を与えます

 

 

コミュニケーションにおいては、

認知のあり方を健康的に保っていくことが大切となります。

 

 

認知行動療法はどのように進めていくのか

 

ここからは、認知行動療法の具体的な手順について

書いていきたいと思います。

 

 

認知行動療法の手順

 

 ①ストレスに気付いて、問題を整理する

 ②考え方が感情や行動にどのように影響しているかを調べる

 ③日常生活を振り返り、心が軽くなる活動を増やす

 ④考え方と現実とのズレに注目して、自由な視点で

  現実に沿った柔らかいものの見方に変える練習をする

 ⑥バランスよく考えられるようになったら、問題を解決する方法や

  人間関係を改善する方法を練習して今できることに取り組む

 

 

具体的にはどのようなことを行っていくのか、詳しくみていきましょう。

 

 

認知を変える2つのステップ

 

認知と感情を分けて認知を「健康的」に改善

 

まず最初に、自分の中で認知と感情を分ける作業をします。

 

 

たとえば…

 

人前で話すのが大の苦手なあなた。

あがり症のあなたは、大勢の人を前にすると

なにがなんだかわからなくなるくらい緊張してしまいます。

 

しかし、どうしても自分が発表しなくてはならない状況になりました。

そんなとき、あなたはどう思いますか?

 

 

「こんなにたくさんの人の前で話すなんて…」

「上手く話せるかな…」と、緊張してしまう

            ↓

 

緊張しないように、違うことを考えよう!

 

            ↓

 

違うことを考えようとして、さらに緊張してしまう

 

 

 

 

このように認知は変えることはできますが、

感情を変えることは難しいのです。

 

 

感情を変えることが難しい一方で、

認知(考え方)は変えやすいです。

 

 

「緊張はするけど、言いたいことはしっかり言えるようにしよう」と、

自分の中で考え直すことができます。

 

考え直すことで感情が緩やかになることが、

心理学の研究でわかってきています、

 

認知と感情を分けられるようになると、

認知だけでなく感情のあり方も健康的に保つことができますよ♪

 

それでは、認知と感情を分ける作業を実際に行ってみましょう!

 

 

練習問題

 

高校時代に仲の良かった友人に食事の誘いのメールを送りました。

しかし、それから3日も返信が来ていません。

 

このような状況のとき、

あなたの「認知」と「感情」はどうなりますか?

 

早速分けてみましょう!

 

 

思考:

感情:

 

 

 

 

分けることができましたか?

 

 

私の場合は、こうなります。

 

思考:嫌われているから、返信が来ないのかな…

感情:不安、悲しい

 

 

考え方はいろいろなので、私の場合と全く違うという方も

いらっしゃると思いますが、それでもOKですよ!

 

このように、1つの出来事に対して

 

  • どのように考えているのか
  • どのように感じているのか 

 を分けて考えることが大切です。

 

 

【参考】心理 イライラはどこから来るのか?より

     一部引用

 

 

 

別の可能性を探し出す

 

次に、自分の解釈とは別の可能性を挙げてみましょう。

ここで挙げる可能性は、現実的なものに限ります。

 

 みなさんも是非、一緒に考えてみましょう!

 

◇他に考えられる現実的な可能性

 ・

 ・  

 ・

 

 

 

 私の場合は、こうなります。

 

 

◇他に考えられる現実的な可能性

 

 ・仕事が忙しくて、返信できなかった

 ・外出していてメールに気付かなかった

 ・体調が悪くて返信できなかった

 ・そもそも携帯をあまり使わないので気付くのに遅れた

 ・携帯の通知をオフにしてサウンドもオフにしていたので

  気付くのに遅れた

 ・まだ返信は来ていないけど、これから来るかも…?

 

 

 みなさんは、どんな可能性を思いつきましたか?

 

 

別の可能性を考えずに

やっぱり私は嫌われている」と考えてしまうと、

相手に敵意を持ってしまい、関係が悪化することもあります。

 

 

私たちが日頃行っているコミュニケーションの間違いは、

現実離れした考えから起こっていることが多いです。

 

認知は放っておくと、どんどん悪い方向へ行ってしまいます

 

いったん立ち止まって、その認知が

 

  • 現実的なものなのか
  • 別の可能性はないか

 

を考える姿勢が必要です。

 

 

 

感情の安定を助ける習慣

 

ここからは、「別の可能性を現実的に考える」練習について

書いていきたいと思います。

 

みなさんは、このような認知をすることはありますか?

 

・飲み会や懇親会などで、いつも話せない
・友人が少なく、孤独を感じる
・相手がつまらなそうにしている。
 もしかしたら、私のことが嫌いなのかも…
 
 
こういった認知は、よくしてしまうものですよね。
 
特によくないことがあったときはパニックになってしまい、
感情が不安定になることもあります。
 
そんなときに助けとなるのが、
「別の可能性を現実的に考える」習慣です。
 
 
「自分の考えが、勝手な思いこみではないか」と、
別の可能性について考えてみる習慣をつけましょう。
 
 
 

自動思考に働きかけることで、ストレス耐性の強い心に

 

 

認知には、ある出来事に対して瞬時に浮かぶ考えがあります。

咄嗟に頭に浮かんだ考えやイメージを、自動思考といいます。

 

 

自動思考は「認知のクセ」にことで、

それによって気持ちが動いたり行動が起こったりします。

 

 

ゆがみ思考をチェックしよう

 

認知行動療法で大切なことは、自動思考のゆがみ、

つまりゆがみ思考を見つけてチェックすることです。

 

ゆがみ思考には、以下のようなものがあります。

 

◇よくある認知のゆがみ

 

 ・白黒思考

  :物事を全て白か黒で極端に分けようとする考え方

 

   「すべてが完璧にできない私は、駄目な人間だ」

 

 ・悲観的

  :「うまくいくはずがない」と未来のことを悲観的に考える

 

 「私なんて、誰からも好かれない」

 

 ・他人の考えを邪推する

  :「相手はこう考えている」と決めつけてしまう

 

    「あの人はやる気がない」

 

 ・~しなければならない(~すべき)

  :「~すべき」と考えて、できない自分を責める

 

 「もう新人ではないから、しっかりしなければならない」

 

 ・ラベリング

  :自分や身近な人にネガティブな偏見を持つ

 

  「私はつまらない人間だ」  

 

 ・過小評価

  :うまくいかないことばかりに注目する

   成功したことは忘れている

 

  「私はいつも他の人とうまく話せない」

 

 

 

それでは、再び練習問題です!

ストレスを感じる場面を3つ考えてみてください。

 

1.

2.

3.

 

 

 

 私の場合は、こうなります。

 

 

1.また失敗してしまった…。だめだなあ、私。

 

2.どうして全然話せなかったんだろう。

 頑張れば話せたかもしれないのに。

 もっと話すべきだったなあ…。

 

3.すぐに話が終わっちゃう。

 つまらないと思われているかも…。

 話を続けられるようにしなくちゃ…。

 

 

そのとき考えていたことを書けたら、

次はそれを思考パターンに当てはめていきます。

 

 

先程書いた「そのとき考えていたこと」を参考に、

自分の思考パターンはどれに当てはまるのかを選んでいきましょう。

 

1.また失敗してしまった…。だめだなあ、私。

  ⇒白黒思考

 

2.どうして全然話せなかったんだろう。

 頑張れば話せたかもしれないのに。

 もっと話すべきだったなあ…。

  ⇒~しなければならない(~すべき)

 

3.すぐに話が終わっちゃう。

 つまらないと思われているかも…。

 話を続けられるようにしなくちゃ…。

  ⇒~しなければならない(~すべき)、

  ラベリング

 

 

みなさんは、いくつ当てはまりましたか?

あてはまるものが多い、少ないことは気にする必要はありません。

 

あくまでも、自分の思考のクセを知るための作業なので

自動思考に気付くだけで充分OKです!

 

 

ストレスを感じる場面では、その人にしかない

ゆがみ思考があります。

 

そのゆがみ思考に気付くことが大切です。

 

 

ゆがみ思考の修正には、日記がオススメ

 

人それぞれ考え方は違います。

 

気持ちを変えることも難しく、

考え方をすぐに変えることはできません。

 

認知のゆがみを修正するには、

日記を書いて自分とじっくり向き合うことが有効です。

 

「ものの受け取り方」を変えて悪循環を解消するために、

日記を書いて見直すことで認知のクセに気付くことができますよ♪

 

 

そのときどのようなことを考えていたかを、

自分に問いかけながら書いてみましょう!

 

 

◇認知のクセに気付ける日記の書き方

 

  1. 今日の出来事を簡単に書く(あまり長くなりすぎないように)
  2. その出来事に対して感じたこと、考えたことを書く
  3. 3日後に見直して思考と感情が現実に沿っているかチェック

 

出来事に対して感情を書くことで、認知のクセが見えてきます

 

時間が経った後に見直すと、自分の考え方について

客観的に見ることができるようになります。

 

以下の2つのポイントを頭に入れて日記を書くようにしましょう。

 

1回だけでもまずはやってみる

 

 「必ず毎日書かなければならない」わけではありません。

 書きたいときに書いても大丈夫です。

 まずは日記を書いてみるところから始めましょう!

 

 

誰かにアドバイスするように書く

 

 3日後に見直すときは、客観的に見ることが

 難しくなることもあるかもしれません。

 

 そんなときは、友人や家族など自分にとって大切な人が

 同じ状況だったらどんなアドバイスをするかを、

 考えながら書いてみると書きやすいです。

 

 

是非皆さんも、日記を書いてみてくださいね♪

 

 

 

 

 

 

【参考】

代表的な思考のゆがみを知る

妄想的を手放し現実的に考える

感情を直接変えることはできない

 

練習問題部分のみ一部引用