ユメノオト

ラジオライフ

ラジオのちょっとトクする話

映画から考える、日本の食品ロスの現状

f:id:jyumeno:20200630144810p:plain

 

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、本当に久しぶりに…

 

坂本美雨のディアフレンズ」からの新発見をお届けします!!

 

 

今回は、ドキュメンタリー映画「もったいないキッチン」の監督で

フードアクティビストのダービィド・グロスさんと

通訳のつかもと みきさんからお話を伺いました。

 

 

 

 

 

日本の食品ロスが世界でトップクラスという現状

 

 

みなさんは、食品ロスという言葉をご存知でしょうか?

 

1度は聞いたことがある、という方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

食品ロスとは、

本来食べられるはずのものが捨てられてしまうことです。

 

実は、日本の食品ロスは世界でトップクラスなんです…。

 

非常に残念なことですが、

日本では毎年643万トンの食品ロスが出ています。

 

毎年643万トン…と言われてもピンとこないですよね。

 

これは、毎日1人がおにぎり1つを捨てているという計算になります。

 

なんともったいないことを…!

 

という言葉が思わず出てきてしまいます。

 

この、「もったいない」という言葉。

世界の共通語として注目を集めています

 

 

日本ではどのくらいの食糧が廃棄されているのか、

どうしたら食品ロスをなくせるのかについて

書いていきたいと思います。

 

 

8月8日に公開されたドキュメンタリー映画「もったいないキッチン」。

 

監督のダーヴィドさんや通訳のつかもとみきさんも

出演しています。

 

 

「食材救出人」になるきっかけ

 

 

ダーヴィドさんは、フードアクティビストとしても活動しています。

その言葉には新鮮な感じがする、と話す坂本さん。

 

ダービィドさんが「食材救出人」になるきっかけは、

一体なんだったのでしょうか?

 

 

そのきっかけは、大きく分けて2つあります。

 

まず1つ目のきっかけは…

 

ダービィドさんの故郷、オーストリアザルツブルク

スーパーの裏にある大きなゴミ箱を覗いてみたことです。

 

普通の人は、スーパーのゴミ箱に飛び込んで

食べ物をとったりはしません。

 

しかし、実際にはスーパーのごみ箱備に飛び込んで

食べ物をとったりする人たちがいます。

 

彼らは「エストダイビングムーブメント」と呼ばれていて、

世界中にはそれをやっている人が存在するといいます。

 

ダービィドさんが、スーパーの裏にあるゴミ箱を見て驚いたのは

まだ食べられるものがたくさん捨てられていたことでした。

 

たくさんの新鮮な果物、野菜やパン、牛乳など

 

まだまだ食べられる美味しそうな食べ物が

そこにはたくさん入っていました。

 

これを見たダービィドさんは、賞味期限が切れたものがあるにしても

「もったいない!」と思い、全部家に持ち帰って料理をしました

 

これが、2つ目のきっかけです。

 

全部自分で持ち帰って料理をする、ということ自体が

すごいですよね。

 

それだけの行動力が、果たして日本人にはあるかどうか…。

 

 

 

f:id:jyumeno:20200818170216j:plain

 

さて、ここでドキュメンタリー映画

「もったいないキッチン」について少しご説明します。

 

この映画は、日本で撮影されました。

 

廃材でつくったキッチンカーで日本全国を回るというもので、

日本における食品ロスについて4週間に渡り取材を重ねました。

 

ダービィドさんは、実際に料理をして美味しく食べて旅をしています。

 

 

 

「もったいない」に込められたメッセージ

 

「もったいない」という言葉には、日本独特の精神なのか。

 

ダービィドさんは、

 

「研究者ではないので、もったいないという言葉が

 本当に日本にしかない精神なのかはわからない」といいます。

 

しかし、もったいないという言葉はただの言葉ではなく、

たくさんのメッセージが込められている言葉だと話します。

 

もったいないという言葉には、

「無駄になる、無駄にする」ということだけでなく

無駄を生まないように、無駄をつくらないように」という

メッセージが込められています。

 

 

 

無駄を生まないために、どうやってプラスに変えていくか

 

映画では、たくさんの「もったいない」を紹介しています。

 

どうすれば解決策になるかというヒントが隠されているのが、

このドキュメンタリー映画「もったいないキッチン」なのです。

 

 

実際の問題自体を見てみると…

 

食品リサイクル工場に運ばれた食品の数は膨大

ショッキングなほどの数です。

 

このドキュメンタリーは、その問題だけにとどまらず

それをどうポジティブに変えていくかというヒントが

たくさんつまっているとてもポジティブな作品になっています。

 

 

安全性の名のもとに捨てられる食品

 

日本は発酵食品など、食品の長期保存が得意な食文化です。

 

それにも関わらず、食品ロスが多くなっているのはなぜなのでしょうか。

 

その理由は、こだわりの強さにあります。

 

清潔、きれい、新鮮

 

これらの3つの点に強いこだわりを持ってしまった結果、

たくさんの廃棄食品が生まれているのです。

 

これは、ドキュメンタリーでも描かれている部分です。

コンビニエンスストアのシーンでは、それがよく描かれているといいます。

 

 

もちろん、食の安全性は大切なことです。

 

しかしそれを追及しすぎると、

まだまだ食べられるものを「安全性」の名のもとに

捨ててしまうということにもなりかねません。

 

まさにそれが、日本の食品ロスの現状なのです。

 

 

地球上の資源がどんどん少なくなっている現状で、

 

食べられるはずのものをが捨てられるということは

 許されることではない

 

と、ダービィドさんは言います。

 

 

食べ物が足りない、恵まれない人たちは、世の中にたくさんいます

 

外国だけの話ではありません。

日本でも貧困に苦しむ人たちがたくさんいます。

 

「誰の責任だ」と責任追及をするのではなく、

解決策を見つけていこうというのが、この映画のメッセージなのです。

 

 

そのためには、流通システムの改善や

やり方をもっと変えていこうということになる。

 

ダービィドさんは、そう話します。

 

 

見た目や美しさ、安全性にこだわることも

日本の良さの1つではあります。

 

しかし、その行き過ぎた価値観に対して

どのようにバランスをとっていくのか

 

そのことを、これから私たち1人1人が考えていかなければならない。

 

そう思います。

 

 

家庭でもできるリデュース

 

 ダーヴィドさんは、映画の中で

3Rの中のリデュースを行っていました。

 

廃棄されるものを美味しく生まれ変わらせることをしていたのです。

 

 

さて、ここで3Rという言葉が出てきました。

 

みなさんは、「3Rとはなにか」と聞かれたらどう答えますか?

 

 

3Rとは、

 

  • Reduce(リデュース)
  • Reuseリユース
  • Recycle(リサイクル) の3つの英語の頭文字をとったものです。

 

 

リデュースは、使用済みになったものが

ゴミとして廃棄されることを少なくするために

ものを製造・加工・販売することです。

 

ダーヴィドさんが映画の中で行っていたのは、これにあたります。

 

 

リユースは、使用済みでももう1度使えるものは

廃棄せずに再使用することです。

 

古着が、これにあたります。

 

 

リサイクルは、再使用後に廃棄されたものでも

再生資源として再利用することをいいます。

 

 

3R活動について詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。

 

【参考】3Rについて|3R活動推進フォーラム

 

 

話を元に戻しますが…

 

 

無駄を生まないということで、私たちが家庭でできることは

どんなことなのでしょうか?

 

 

ここからは、私たちが今日からできる

食品ロスを減らす方法について書いていきたいと思います。

 

 

その食品、本当に必要?

 

無駄を生まないために私たちが今日からでもできる、簡単なこと。

 

それは…

 

 

お腹がすいたら食べ物を買いに行くことです。

 

 

なんだ、そんなことか。

 

 

と思った、そこのあなた!

 

 

侮ってはいけません。塵も積もれば山となります。

 

 

当たり前のことのように感じますが、

これができている人は多くないのではないでしょうか。

 

ついつい必要以上に買ってしまう

 

これは、誰もが経験していることなのではないでしょうか。

 

しかし、それをしてしまうと…

 

結局食べきれなくて腐らせてしまうか、

「食べたくないけど食べなきゃ…」という

気持ちになってしまいますよね。

 

安くなっていたり、割引きになっていたりすると

特に必要もないのに買ってしまいますよね

 

でも、ちょっと待ってください!!

 

一旦、立ち止まって考えてみてください。

 

それは、本当に必要なものなのでしょうか?

どうしても買わなければいけないものでしょうか?

 

安いものや割引のものが悪いとはいいません。

 

しかし、必要以上に買ってしまうことで

無駄な食品ロスを増やしてしまっているかもしれません…

 

残ったものや余りものでも、美味しく新しい形に

アレンジして調理することはできます。

 

これが、意外と楽しくてオススメなんですよ!

 

 

家庭でのリデュース、みなさんも是非やってみてください!!

 

 

賞味期限に過剰な人たち

 

食品には、賞味期限というものがあります。

 

みなさんは、賞味期限の意味をしっかりと理解していますか?

 

よく、消費期限と間違えがちですが…

賞味期限と消費期限の違い、説明できますか?

 

 

たった1文字違うだけで、全く違う意味になってしまうんです。

 

 

まず、消費期限ですが…

 

その食べ物を安全に食べられる期限のこと。

弁当やサンドイッチなど、いたみやすい食品に表示されています。

 

この消費期限を超えてしまったら、食べない方がいいです。

 

 

一方の賞味期限は、

美味しく食べることができる期限です。

 

消費期限に比べて、いたみにくい食品に表示されています。

 

 

ここで大切なのは、期限が過ぎても

食べられなくなるわけではない、ということです。

 

 

【参考】消費期限と賞味期限:農林水産省

 

賞味期限は、もちろん大切です。

 

しかし、これはシステム上どうしても

企業が設けなければいけないものでもあります。

 

賞味期限が表示されている食品が、その期限を超えると

絶対にだめになってしまうということではなくて、

だめになる可能性を含んでいる期限だったりもするわけです。

 

「書いてあるから」ではなくて…

 

本当にその食べ物が害になるものなのかを、

自分の体と経験で、ちゃんとその食品と向き合って

判断するということが大事です。

 

それが、この映画に込めたメッセージです。

 

自分の体・感覚を信じて自分の頭で考えてほしい

 

そんなエンパワーメントのメッセージを込めたと

ダーヴィドさんは言っています。

 

食品ロスは、仕方ない?

 

企業は、利益を出さないと会社経営ができません。

 

もちろん、利益も大事です。

しかし、「食品ロスをしてしまっても仕方ない」と

あまり真剣に考えていない会社もまだまだ多くある

 

それが日本の現状なのです。

 

 

食品ロスを少しでも減らすために、私たち消費者ができること。

 

それは、「ここに賞味期限が書いてあるから」と

決めつけるのではなく、まず自分の頭で考えてみることです。

 

※もちろん、体質は人それぞれ違うので無理はなさらないでください。

 

 

 

精進料理を紹介していたシーンもありました。

 

 

私たちの体に入るものは、食べ物です。

つまり私たちの体はほぼ100%、食べ物でできています

 

その食べ物と1対1で向き合うことが必要になってくるのです。

 

 

マインドフルネスに料理と向き合う

 

精進料理のシーンの撮影では、たくさんの学びがあった。

 

ダーヴィドさんは、そう話します。

 

 

最近よく「マインドフルネス」といわれていますが、

まさに料理や食べ物にマインドフルに向き合うことで

口にする食べ物と自分自身の気付きへとつながっていきます。

 

そこから、社会のシステムを変える変化が

始まっていくのではないでしょうか。

 

映画の中には、他にもたくさんのマインドフルに

料理と向き合っている方がいらっしゃいます。

 

たくさんの野草や昔ながらの日本の食文化の知恵を持っている方など…

 

ダーヴィドさんにとって、たくさんの学びがあったそうです。

 

 

ドキュメンタリー映画「もったいないキッチン」は8月8日に公開。

全国では順次公開となります。

 

詳しくは、公式ホームページでチェックしてみてください。

みなさんも、この機会にぜひ。

 

www.mottainai-kitchen.net

  

映画から食品ロスについて考えていきましょう!

 

 

ダーヴィド監督の目標は?

 

坂本さんから、「10年以内に達成したい目標は?」と

問われたダーヴィドさん。

 

 

「日本語を勉強したい」というのが1番の目標だと答えます。

 

映画撮影で1ヵ月ほど日本にいたそうですが、

撮影から1年以上経った今も、日本語は上達していないのだとか。

 

ダーヴィドさんの奥さんは日本人。

 

いつも同じフレーズ、「こんにちは」「ありがとう」しか

使えない、といつも笑われているそうです。

 

 

そんなダーヴィドさんが好きな日本語は、「納豆」。

 

朝ごはんは、「パンケーキではなく納豆とたまごごはん」を

食べたいと言うくらい、納豆にハマっているのだそう。

 

 

オーストリアでは納豆を買うことはできますが、

冷凍で輸入されるので質は良くありません。

 

今は自宅で納豆菌から納豆をつくろうと

夫婦で奮闘しているそうです。

 

すごいですね…!

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

思ったよりも長くなってしまいました…!

 

改めて、日本の食品ロスの現状を知ることができました。

 

これからは必要なものだけを買う、

リデュースを実践するようにしていきたいと思います。

 

次回もお楽しみに…♪