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世界が認めた!アポイ岳がジオパークに選ばれた理由

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、世界のあこがれ〜北海道ブランド〜から。

前回に引き続き、アポイ岳の魅力についてお伝えしていきます。

 

 

ここで、アポイ岳について少しおさらいしておきましょう!

 

日高の様似町にあるアポイ岳

日高山脈の南の端に位置していて、標高はおよそ810メートル。

 

ここにしかない固有種の宝庫で登山でも有名な山ですが、

非常に珍しいかんらん岩の山として、

世界ジオパークにも登録されています。

 

前回は、アポイ岳がどんな山なのかと

かんらん岩の特徴を中心にお伝えしました。

 

今回は、アポイ岳の固有種やジオパークについてお届けします!

 

 

標高が低いのになせ高山植物が?

 

アポイ岳は標高は810メートルと、標高としては低い山ですが

たくさんの高山植物が生えています

 

その理由は、一体何なのでしょうか?

 

その答えは、ズバリ「寒さ」です。

 

北海道全体の内地と比べると、アポイ岳のある様似町は寒冷なので、

内地より高い山にある植物が標高の高いアポイ岳にもあるんです。

 

寒冷な気候には、環境も大きく関わっています。

 

アポイ岳は海に近いため、海霧が発生します。

夏でも気温が下がるので、あまり暑くなりません

 

内地の高山植物が生育できるのには、そこに理由があったんです。

 

夏でも海からの霧によって更に涼しいからこそ、

高山植物が生育できるというわけです。

 

林の上に林 謎めいた地形

 

アポイ岳は、他の山にはみられない特殊な地形をしています。

 

ダケカンバ林の上に樹林であるハイマツ林が現れるといった、

不思議な地形をしているアポイ岳

 

そのようなつくりになっているのは、なぜなのでしょうか?

 

ハイマツ林が高いところにあるということはよくあることなのですが、

低い松が3重になっている更にその上にダケカンバ林があるという、

謎めいた地形をしています。

 

なぜこうなっているのかは、不明だそうです。

 

アポイ岳の科学成分によって、木や植物が生えやすかったり

生えにくかったりする場所もあるのだそう。

 

松の木はひさしが必要なので、日差しの有無でダケカンバ林と

競合して負けたり勝ったり…と、バトルを繰り広げているようです。

 

一見争いとは無縁に見える植物でも、競合しているなんて

自然の仕組みって何だか面白いですね。

 

 

アポイ岳の固有種 「アポイ」がついてるものが多い?

 

アポイ岳にしかいない生き物、いわゆる固有種ですが

アポイ岳には「アポイ」という名前がつく植物がたくさんあります

 

アポイアザミやアポイカンバン、

様似町の名前がついているサマニホシという鳥など…

 

ヒダカソウは有名ですよね。

 

ちなみに…

 

ヒダカソウは、発見者の対馬政雄の名前から

「ツシマソウ」とも呼ばれています。

 

不思議な植生は、アポイ岳の地質に関係しています。

 

植生とは、ある地域に集まって生息している植物の集団のこと。

 

アポイマイマイという特殊なカタツムリや

アポイ岳周辺でみられる高山植物などは、

特別天然記念物に指定されています。

 

 

アポイ岳ジオパークに選ばれる2つの理由

 

ここからは、ジオパークについて書いていきたいと思います。

 

アポイ岳世界ジオパークに認定されていますが、

そもそもジオパークとはどのようなものなのでしょうか?

 

ジオパークは、日本語にすると「大地の公園」。

「ジオ」は大地・地球を、「パーク」は公園を表す言葉です。

 

ジオパークは、地球を楽しむ場所という思いを込めた言葉になります。

 

このジオパークという言葉、もともとは市民の言葉でした。

 

しかし、世界ジオパークユネスコ正式事業化

決定したことにより、ジオパークの名は世に知れ渡ることとなりました。

 

世界ジオパークユネスコ正式事業化は、2015年11月17日に

フランスのユネスコ本部で開催された、

第38回ユネスコ総会の本会議で決定されたのですが…

 

それ以前は世界ジオパークネットワークの活動を

支援事業として行ってきました。

 

しかし、2015年11月17日からは

 

国際地質科学ジオパーク計画

 

としてユネスコの正式事業となったのです。

 

アポイ岳ジオパークは、世界ジオパークに認定されています。

 

日本のジオパークは現在43地域ですが、世界ジオパークはその内の9地域。

世界ジオパークのうちの1つは、アポイ岳ジオパークです。

 

 

そんなアポイ岳ジオパークに選ばれた理由、みなさんはわかりますか?

その理由は、2つあります。

 

1つ目は、美しいかんらん岩やかんらん石が見られるということ。

2つ目は、ダイナミックな地球の動きを感じられるということです。

 

地球規模のダイナミックなプレートによってマントル

露出した場所なので、様似町やアポイ岳を歩いているだけで

地球の鼓動を感じることができるというところが、

高い評価を受けた何よりの証です。

 

他のジオパークにはない、アポイ岳の見どころ。

 

それは、なんと言ってもかんらん岩です。

それに付随して、植生が特殊なことも大切なポイントになります。

 

町の文化や歴史にも影響を与える、かんらん岩や植生。

 

そのことも含めて、地域全体が素敵な場所であるということで

アポイ岳は世界的に有名になっています。

 

町の文化にも影響を与えていると述べましたが、

これは一体どういうことなのかというと…

 

周辺に住んできた人たちの生活にも、アポイ岳の自然は

深く関わっているということなんです。

 

そんなアポイ岳の自然と深く関わっているのが、

コンブ漁をしている人たちです。

 

彼らが言うには、かんらん岩に含まれている鉄が

コンブの生育に非常に良いとのこと。

 

そういった文化や生活にも、かんらん岩は影響を与えているんですね。

 

日高のコンブといえば全国的に有名ですが、

そんなところにも密接な関わりがあると知り、驚きました!

 

話は逸れますが…

 

海岸沿いに行くと、よくコンブが干されているそうです。

そこにひかれている石が、実はかんらん石。

 

採石場で採れた石を3、4年ごとに1回変えて

コンブをひいているのだとか。

 

風通しが非常に良いだけでなく、

コンブを傷つけることも少ないという利点もあります。

 

コンブをひいている石は、「コンブ石」と呼ばれているそうです。

 

アポイジオパークをもっと知りたいときは?

 

アポイ岳ジオパークのことを詳しく教えてくれる施設があります。

様似町にあるアポイ岳ジオパークビジターセンターです。

 

そこでは学芸員の方がとても優しくいろいろなことを教えてくれます。

 

開館しているのは、9月〜11月で毎日午前9時から午後5時まで。

入館は無料です。

 

 

アポイ岳に行ったことがある方やアポイ岳を知っている方も

いらっしゃるかもしれませんが、知っているはずの山でも

鉱物の話や現地の人の話など…

 

初めて知る山のように思えて不思議な気分を

味わうことができるかもしれません。

 

 

かんらん岩の「かんらん」ってどういう意味?

 

かんらん岩の「かんらん」。

これは一体、どういう意味なのでしょうか?

 

 

実は、英語を日本語にするときに間違えて

「かんらん」と訳してしまったんです…!

 

英語では、かんらん石をオリピンというのですが

それを日本語に訳す際に、オリーブに似た「かんらん」という

植物の名前を当ててしまったということなんです。

 

本当は違うのですが、「かんらん」と訳してしまったことで

今も「かんらん岩」「かんらん石」という呼び方が浸透しているようです。

 

かんらん岩の「かんらん」は

もともと植物の名前からつけられたものでした。

 

この「かんらん」という植物、実はオリーブとすごく似ているんです!

だから、間違えてしまったんですね…。

 

もしかしたら、オリーブ石という名前になっていたかも

しれないと思うと、何だか不思議ですね。

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

次回もお楽しみに…♪