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漫画家・コラムニストの辛酸なめ子も絶賛!映画「82年生まれ、キム・ジヨン」から考える女性の生き方

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、坂本美雨のディアフレンズから。

 

ゲストは、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さん。

 

現在公開中の韓国、日本で話題になったベストセラー小説を

もとにした映画「82年生まれ、キム・ジヨン」について、

そして女性の生き方について伺います。

 

 

 

 

 

辛酸なめ子も絶賛!映画「82年生まれ、キム・ジヨン

 

辛酸なめ子さんは、たくさんの分野でエッセイを書いています。

女性ファンの心を多く掴んでいるのではないかと思うのですが…

 

現在の連載はそんなにない、といいます。

 

辛酸なめ子さん曰く、

 

「今どのくらい連載しているかはわからないけど、

 それなりにちょっとやってるくらいの感じ」。

 

なんとも、ふわふわとした回答ですが…

 

今回のテーマは「女性の生き方」、そして「生きづらさ」。

 

なぜこのテーマなのかというと…

すごく良い映画が10月9日に公開になったからなんですね。

 

その映画のタイトルは、「82年生まれ、キム・ジヨン」。

これは、韓国でつくられた映画です。

 

辛酸なめ子さんはこの映画に、こうコメントを寄せています。

 

女の人生の影の部分を、鉛筆デッサンのように繊細なタッチで描いた作品

 影を描き込むことで、社会の姿が浮き上がります

 切なくて美しい映画に共感しながら見入ってしまいます」。

 

坂本さんもこの映画を見て、共感したことがたくさんあったようです。

 

「韓国と日本は状況が似ていて、両方とも女性がなかなか

 活躍できない国という同じ闇を抱えているからこそできた作品」と、

 

辛酸なめ子さん。

 

「82年生まれ、キム・ジヨン」 あらすじ

 

ここで、この映画について少しご紹介しますね。

 

主人公は、キム・ジヨンという38歳の女性。

結婚を機に仕事をやめて、現在は2歳の娘の育児と家事に追われています。

 

そんなある日のこと、

 

「精神的におかしくなってしまったのではないか」と

夫が疑ってしまうような不可解な行動をキム・ジヨンは取るようになります

 

しかも、キム・ジヨン本人は覚えていないんです。

 

キム・ジヨンのバックグラウンドを知っていくうちに、

何気ない生きづらさが社会の中や家の中にあって、

親戚の一言や父親に言われる一言などを契機に、

徐々に追い詰められていきます

 

共感できる場面がこの映画にはたくさん出てきて、

そういう生きづらさを表現している場面が繊細に描かれています

 

キム・ジヨンが不可解な行動を取るようになって、

しかもそれを本人は全く覚えていない。

 

これを見て、辛酸なめ子さんは「ホラーなのかな」という思いが

一瞬頭をよぎりましたが…

 

そうではなくて、本人は精神的にも身体的にも

疲弊していたからそうなってしまったんです。

 

母親に「お母さんは仕事やりたかったけど、やめたのよ」と言われて

結婚したら仕事をやめて家事や育児に専念すべき」論を押し付けられたり、

 

仕事復帰したいけど、育休を取ったら今の仕事ではいられなくなったり、

育休から戻ってきたらデスクがなくなっている、なんてことも…

 

女性に生まれただけなのに…

 

辛酸なめ子さんが特にグッときたポイントや、シーンがあります。

 

それはバスで男性に追いかけられるという、怖い目にあったシーン。

 

このシーンを見て、辛酸なめ子さんは中高生の時に電車通学を

していたときのことを思い出しました。

 

そのとき痴漢が頻出していたこともあって、

そのときの恐怖は忘れられないといいます。

 

「自分が短いスカートだったからかと思ったりもする」と、辛酸なめ子さん。

 

普通に女性に生まれただけで被害に遭って、

しかも「そっちが悪い」といった偏見のようなものもありますよね。

 

痴漢って、もう何十年もなくならないですよね。

 

それは、なかなか声をあげられる女性ばかりじゃない

いうこともあると思います。

 

しかし、辛酸なめ子さんのように「そんな格好してるからだ」という

社会の思い込みがすごく強いことも影響していると思うんです。

 

それが、女性に生まれただけで被害に遭って

「そっちが悪い」と言われる、ということなんですよね。

 

広がる#Me too あげられるようになった声

 

ですが、最近その流れも少しずつ変わってきました

それが、#Me too 運動です。

 

ニュースにもなりましたし、SNSをやっている方なら

ご存知の方も多いと思うのですが…

 

#Me too 運動により、やっと「それはおかしい」という

声を上げられるようになりました

 

もっともっと、この#Me too 運動を広げていかなければなりませんね。

 

 

そして…

 

親戚に「子供とかどうなのか」と言われるシーンも、映画には出てきます。

そのシーンを見ていて、辛酸なめ子さんはあることを思い出します。

 

その「あること」とは…

 

 

何年か前に、取材で行った占い師に言われたことです。

 

その占い師は年配のおじいさんだったのですが、

子孫をつくってないから、先祖が悲しんでる」と言われたそう。

 

そして、「今すぐ外に出て、そこらへんの男性と子作りしろ」とも…

 

すごいことを言う占い師ですね…。

 

 

あなたにもできあがってない?「幸せの固定観念

 

なかなか強烈ですが…、

 

ある程度の年齢になると、幸せに対する固定観念というものが

できあがっているのではないか、と辛酸なめ子さん。

 

「早く良い相手を見つけて、結婚して、子供ができて…」というのが

幸せだという固定観念が固まってしまっている人が、

社会にはたくさんいるのかもしれません。

 

ですが今の時代、幸せの形は1つじゃない

幸せの形も愛の形も、家族のあり方も多様化しているんです。

 

違う異性の人を好きになったからといって、不幸になるわけではありませんよね。

 

LGBTだからといって、「普通」と違う

変わった人という偏見は間違っています。

 

相手のことを思いやって、互いを愛し合う

それのどこがいけないのでしょう。

 

むしろ、素晴らしいことだと思います。

 

考え方が違うだけで、「それは間違ってる」とか

「おかしい」というのは、それこそお門違いです。

 

考え方が違うことを、咎めるのは間違っている

いろんな考え方の人がいるから面白いし、学ぶべきこともたくさんある。

 

多様性を受け入れるということが、

日本はなかなかスムーズに行かない風土だなと痛感してもいます。

 

なんとも、嘆かわしい…

 

結婚したからといって、死ぬまで幸せが保証されるわけではありませんよね。

人生には思わぬアクシデントが、突然起こるわけですから

 

突然、病気が発覚して定期的に通院しなければならない

病気になるかもしれないし、それこそ、完治が難しい病気に

なってしまうことだってある。

 

事故にあって、障害を負ってしまうことだって有り得なくはありません。

 

「自分はなるわけない」という思い込みは、今のこの時代通用しないと思います。

 

私も難病とは無縁だと思って、「私はなるわけない」と思っていたら

なってしまったので…

 

病気が発覚してからは、しばらく放心状態でした。

何も考えられない、頭が真っ白の状態。

 

いつも、突然なんです。突然、アクシデントはやってくる。

そのことは、頭に入れておかなければなりません。

 

一見順調に思える人生だったとしても、

突如として強風が吹き付ける、なんてこともあるわけです。

 

結婚しても、離婚することだってあります。

事実、日本の離婚率は約35%。

 

結婚=一生安泰ではないわけです。

 

多くの人が持っている「幸せの固定観念」を

自分たちの世代から変えていかなければならない

 

辛酸なめ子さんは、そう仰っていました。

 

辛酸なめ子の作品に女性がテーマのものが多いワケ

 

辛酸なめ子さんは、女性の生き方をテーマに

「女子校育ち」「女子の国はいつも内戦」「女修行」

「妙齢美容修行」などなど…多くの作品を発表されています。

 

なぜ、女性をテーマにした作品が多いのか?

 

それは、辛酸なめ子さん自身がずっと女子校に通っていたことが

大きく影響しています。

 

男性の気持ちがあまりわからないので、自然と女性についての

内容が多くなっていったのだそう。

 

ますます、どんな作品なのか気になります…!

 

家庭の中に「変な」重圧 男性を遠ざけた根本的理由

 

そんな辛酸なめ子さん。「女性はこうあるべき」という重圧は、

家庭や学校の中ではあったのでしょうか?

 

辛酸なめ子さんは、家庭の中で「変な重圧」があったといいます。

 

この「変な重圧」とは、一体どういうことなのでしょうか?

 

学校に行って、良い会社に就職して真面目に働く。

これは、誰もが思い描くイメージですよね。

 

辛酸なめ子さんのご両親は教師で、とても厳しかったといいます。

特に、性的な情報は全て禁じられていました。

 

シャットアウトされていたんです

 

たとえば…テレビドラマ、特にラブストーリーや恋愛ものには

ラブシーンがありますよね。

 

ところが、ラブシーンがはじまると

ご両親が席を立ってテレビの前に立つんです…!

 

そして、そのラブシーンが終わるまでずっと立っているんです。

 

これが、辛酸なめ子さんのいう「変な重圧」。

かえって気になりますよね…。

 

そのため「性に対する罪悪感が刷り込まれたところはある」と、

話す辛酸なめ子さん。

 

逆に、それで男性を遠ざけてしまうことに…

 

高校生ぐらいのときは、「男性は性欲が強い」という

イメージを漠然と持っていたのだそう。

 

そして…

 

辛酸なめ子さんのご両親の「変な重圧」のエピソードはもう少し続きます。

 

驚くことに週刊誌の性的な記事も、あらかじめ家で

ホチキス止めされていたというんです…!

 

これもまた、かえって気になりますね…。

 

不器用で真面目すぎるのかもしれない、と

当時のご両親の行動について辛酸なめ子さんは振り返っていました。

 

解放感たっぷりの女子校と驚愕の仰天エピソード

 

辛酸なめ子さんは、中高一貫の女子校に進学されました。

今度は、「女子校礼讃」という新刊が中央公論社から発売されます。

 

その中には、最近取材されたこともまとめているそうです。

 

女子校に通っていて異性の目を気にしない時期があった分、

解放された感じがあったのだそうです。

 

ちなみに…

 

坂本さんはアメリカ、ニューヨークの共学の学校

プロムに通っていたそうです。

 

さすが…、音楽一家は違いますね。

 

坂本美雨の「最悪の思い出」に憧れる辛酸なめ子

 

しかし坂本さん曰く、プロムでの思い出は「最悪の思い出」。

プロムでは、車でお迎えが来るんです。

 

学校に行くのにも、車でのお迎えというのは驚きました!

 

なんだか、遠い世界…。

 

「そういうの、やんないよ」というひねくれ者だったにも

かかわらず、最後の最後でちょっと行ってみたくなり、

「のぞいてみるか」という気持ちになった坂本さん。

 

グループでリムジンに乗ったのですが、

なぜか日本人ばかりのグループに…。

 

しかも仲良くない人たちと一緒だったので、

途中ですぐに帰ってきたのだそうです。

 

辛酸なめ子もドハマり!今大人気のタイのBLドラマ「2gether」

 

さて…ここからは、辛酸なめ子さんが

最近気になっていることについて伺います。

 

辛酸なめ子さんのアンテナに引っかかっているものは、

なんなのでしょうか?

 

この夏はどこにも行けなかったので、アジアのBLドラマを

見ていたらあっという間に夏が終わってしまったといいます。

 

さらっと言いましたが…

このアジアのBL、実はすごくブームになっているんです!

 

みなさん、ご存知でしたか?

 

タイのBLドラマはとてもブームになっていて、辛酸なめ子さん曰く、

 

超絶イケメンのイチャつきが永遠と見られる

 

ところが見どころなのだそう。

 

辛酸なめ子さんもハマったタイのBLドラマ、「2gether」という作品。

 

ドラマに出演しているブライトとウィンという2人の俳優が、

花より男子」のタイ版に出演することが決定

 

しかし、「私としては女性との絡みは見たくない」と

辛酸なめ子さんの心境は複雑…。

 

タイの次はフィリピン!?BLドラマ「Gameboys」とは

 

1つの作品にどハマりすると、失恋みたいになって危険だと思った

辛酸なめ子さんはが次にハマった作品は、フィリピンのBLドラマ「Gameboys」

 

この「Gameboys」、実はリモートで撮られているんです!

俳優が、自宅でリモートで撮影しているんですね。

 

簡単に、あらすじをご紹介します。

 

ゲームの配信で出会った2人の男子が、会いたいけどなかなか

会えず苦悩したり、会えたとしてもソーシャルディスタンスを

保ってビニール越しで話したり…と、今のコロナ禍での状況を

ドラマチックに描いている作品です。

 

「2gether」はWOWOW楽天で、

「Gameboys」はYouTubeで見ることができますよ。

 

辛酸なめ子さんも海外のドラマには詳しくなかったのですが、

今では「本当にかっこいい」と大絶賛。

 

みなさんも機会があればぜひ、見てみてくださいね!

 

 

切り口が独特!辛酸なめ子が憧れる人とは

 

森永乳業カフェトーク。ここからは、ゲストの方にもっと

リラックスしていただこうというコーナーです。

 

辛酸なめ子さんへの質問はコチラ!

 

あなたが憧れている人は?

 

 

さて、みなさん。

辛酸なめ子さんが憧れている人、誰だと思いますか?

 

かなり意外な答えでした…

 

 

 

 

正解は…        

 

 

聖者

 

 

インドなどに行くと、聖者の方を見かけることがあるかと思います。

その方を見ると、素敵だなと思うのだそうです。

 

聖者というのは、欲望や煩悩が全部ない状態の人のことですよね。

 

すごい角度からの回答に、思わず私も驚いてしまいましたが…

 

「BLなどにハマると、そういったドラマや煩悩の波の中で

 私は生きていくんだろうなと思う」と、辛酸なめ子さん。

 

その中でも、喜びや感動を感じることはたくさんありますよね。

 

しかし…聖者には、煩悩がひとかけらもありません

 

聖者になったら、一体どんなことに感動するんだろう?

 

と不思議に思いませんか?

 

私も、不思議でなりません…。

 

人間が滅亡から助かったことに感動するのか、

それとも自然の美しさを喜ぶのか…。

 

「あの人がこんなに私のことを好きになってくれた」

 

ということもなければ、

 

「猫が可愛い」とすら思わないということですよね。

 

その境地に至るのは、なかなか難しいことです。

 

煩悩が全くない状態に至る難しさがゆえに、

辛酸なめ子さんは聖者に憧れている、ということなんですね。

 

 

ゴシップガール 捨てきれない女子校へのこだわり

 

辛酸なめ子に、もう1つ質問です!

 

生まれ変わるとしたら、誰になりたいですか?

 

この質問に、辛酸なめ子さんは先程坂本さんから聞いた

プロムでの話を挙げ、こう仰いました。

 

ニューヨークのゴシップガールみたいな女子校に通いたい」。

 

共学ではなく、あくまでも女子校、なんですね…。

辛酸なめ子さん、女子校へのこだわりがなかなか強いようです。

 

辛酸なめ子さんによると…

 

ゴシップガールはもともと、女子校という設定だったそうです。

そういう華やかな生活を1回体験してみたい、と辛酸なめ子さん。

 

ちなみに、プロムに行きたいそうです。

 

そんな辛酸なめ子さんに、坂本さんが一言アドバイス

 

「プロムに行くなら、蓮に構えないで王道でいった方がちゃんと楽しい」

 

だそうです。

 

ゴシップガールで女王になる人が必ずやっていること

 

ゴシップガールといえば、

「女王を投票で選ぶ」というのがありますよね。

 

ですが、最近はやらないかもしれない…と、坂本さん。

坂本さんのときは、あったそうですよ。

 

ゴシップガールで女王に選ばれる人は大抵、

チアリーダーをやっているといいます。

 

遠い世界すぎて、そこにいたという自覚すらなかったと坂本さん。

今振り返れば、「行きづらい場所」だったのだとか。

 

 

さて、今回ご紹介した韓国のベストセラー小説の映画化作品、

「82年生まれ、キム・ジヨン」。

 

現在公開中です!

 

みなさんも機会があればぜひ、見てみてくださいね。

 

 

辛酸なめ子注目の新刊「女子校礼讃」はどんな作品?

 

そして、最後に!

 

辛酸なめ子さんの新刊「女子校礼讃」について、内容をちょこっとご紹介!

 

今回の新刊では女子校の風習だけではなく、女子校を出ると

男性に面白い話をされて悔しくなり、もっと面白い話を

したくなってますますモテなくなる…など、

 

女子校の良いところから弊害まで綴られています。

 

どんな作品なのか、今から楽しみです…!

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

次回もお楽しみに…♪