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北総の小江戸と呼ばれる、千葉県香取市佐原の魅力とは

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回のユメノのラジオde新発見!は、SUNDAY'S POSTから。

千葉県香取市にある佐原についてお伝えします。

 

 

 

 

SUNDAY'S POSTは、日曜に開く音の郵便局。

今回は久しぶりに「日本の音」をお届けします。

 

北総の小江戸”と呼ばれる、千葉県香取市の佐原

江戸時代の街並みが現在も残り、船で巡ることもできます。

 

成田空港から近いこともあり、外国人観光客にも人気の場所です。

 

そんな佐原の魅力に迫っていきましょう!

 

 

北総の小江戸と呼ばれる水郷の町、佐原

 

町の中をゆったりと、くねくね曲がりながら流れる川。

その両脇には、様々な建物が並んでいます。

 

”北総の小江戸”や水郷の町といわれている、千葉県の佐原。

 

東京の喧騒から離れること2時間、どこか優しい雰囲気に包まれた

この町の穏やかな時間と水の流れに心が現れる心地になります。

 

古風な街並みが残る理由

 

そんな佐原に、なぜこうした街並みが残っているのでしょうか?

 その答えは、「祭り」に隠されています。

 

佐原の町はもともと、農業の村でした。

 

江戸時代になると、徳川家康公の先見の明により

利根川を使って江戸から全国へ物資を送るようになります。

 

その途中で、大きな船から佐原の小さな川の上で

積み替えて船は再び江戸へと出航します。

 

その物資の集散地として栄えたのが、佐原というわけです。

 

 

若者が主役の自治 町づくりを変えた伊能忠敬

 

当時の佐原は、幕府の天領地として

名主を中心とした自治が行われていました。

 

その名主として現在も佐原の人々に愛されているのが、

かの有名な伊能忠敬です。

 

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日本全国を旅して日本の正確な地図をつくったことで有名ですよね。

 

その伊能忠敬が先見の明で、村人や全国から集まった商人たちを

指導しながら自治を行ってきました。

 

その中で大事にしていたこと、それは…

 

若者を主役にして地域をつくっていくことでした。

 

現在でも残っている、佐原の大祭。

実は、若者が中心となって運営しているんです。

 

山車を動かすのも若者の力です。

 

祭りは、まつりごとに通じる」。

 

その言葉通り、祭りを中心にして

若者中心の町づくりが行われていきました。

 

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7月と10月に行われる佐原の大祭は、関東3大祭りの1つとなり

ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されました。

 

佐原の街並みの特徴。

 

それは、江戸時代からの現在までのいろいろな家屋を

川沿いから見ることができることです。

 

時代が変わるごとに建物は変化していきますよね。

その変遷を佐原の街並みから見て、感じることができます。

 

この街並みは、関東地方ではじめて国の重要伝統的建造物保存地区

選ばれるという快挙を成し遂げています。

 

祭り

若者

伊能忠敬の活躍

 

この3つが、佐原の宝となり現在にまでつながっているのです。

 

 

佐原の人々に今なお愛される、伊能忠敬

 

そんな、江戸情緒溢れる街並み。

実は、船の上からも楽しむことができます

 

船頭として長いキャリアを持つ77歳の方の話によると…

 

船からだと目線が違うので歩いて見るときとは

違った視点で見ることができるのでオススメとのこと。

 

佐原の中心を流れているのは、小野川には船着き場があります。

川にちょっと出た「だし」が、当時はどこの家にもありました。

 

この船頭の方は香取市の農家で、

昭和40年頃までは船で竿を使っていたのだとか。

 

それ以降は区画整理が行われ、

田んぼに行く際の手段は船ではなく車になりました。

 

そのうち、女性の手もいらなくなり

長年勤めた会社を退職して60歳を過ぎてから

免許を取って船での操業をはじめたのだそう。

 

船の免許を取るのは大変だということを聞いたことがありますが、

60歳を過ぎて免許を取ったのはすごいことだなと

私はその話を聞いて感心しました。

 

なかなか、できることではありませんよね。

 

伊能忠敬とこの街並みは、今もなお佐原に住む人々から

深く愛されていると感じました。

 

佐原の名物スポット、じゃあじゃあ橋

 

船着き場の近くには、残したい日本の音 風景100選にも選ばれた

樋橋(じゃあじゃあ橋)があります。

 

この橋は人が通れる橋の両脇から、30分に1度の頻度で

大量の水が川へ溢れ落ちるようになっています。

 

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※写真はイメージです。実物とは異なります。

 

 

流れ落ちる際に、「じゃーじゃー」という音が出ることから

じゃあじゃあ橋と呼ばれるようになりました。

 

 

樋橋や佐原についてもっと知りたい方は、

こちらをチェックしてみてください。

 

【参考】樋橋の落水/千葉県公式観光情報サイト-まるごとe! ちば-

 

 

220年も続く老舗店主が思う、佐原の良さとは 

 

佐原の地で220年

店舗自体も有形文化財に指定されている佃煮屋、

正上(しょうじょう)という店があります。

 

その10代目店主に、SUNDAY'S POSTが佐原の良さを伺いました。

 

正上は、もともとは油屋でしたが醤油の醸造にも力を入れはじめます。

現在はその醤油を使い、佃煮や総菜をつくっています。

 

味や伝統を受け継いでいく上で大事にしていることは、

次につなげること」と話す店主。

 

店主が、「それ以外の何物でもない」と言い切ったのには

明確な理由があります。

 

それは、「15の家訓」です。

 

正上に代々口伝で次の当主に伝えられる、「15の家訓」。

 

10代目店主も9代目店主から、仏壇の前に2時間ほど座らせられて

「これはこういう意味だよ」と教えられたといいます。

 

1番最後の、15番目の家訓は

 

「この家に伝わりしもの、己のものは箸1本に至るまで

お前のものはないと思え。次の世代に伝えることを大切に思え

 

というものでした。

 

次の世代につなげていくことの大切さを説いた、大切な教えです。

 

つなげていく」という思いは、

佐原の町全体にもしっかりと受け継がれているんですね。

 

その「つなげていく」という思いの中心にあるのが、「祭り」です。

佐原の大祭では、夏は10台、秋は14台の山車が出ます。

 

大祭なので、山車もそうですがかなりのお金がかかります。

 

人口約6万人しかいない千葉県香取市で、年に2回大きな祭りを開く

 

「日本全国探してもそんなことをしているのはここだけだ」と

店主は話します。

 

伝統と文化を伝えていく以上に、

 

先輩が後輩に教えて、その後輩が先輩になったときに

後輩に教えて…といった循環の中で、

人と人との良いつながりができているのではないか。

 

祭りを通して、文化と伝統の大切さを感じるとともに

祭りそのものを素直に楽しむ。

 

そんな気質が人と人との濃いつながりをつくっていて、

それこそが佐原の良さだ。

 

そう店主は熱く語ってくれました。

 

形あるものだけを受け継ぐのではなく、

目に見えない人と人とのつながりが受け継がれている

 

だからこそ、佐原には優しい雰囲気が流れているのかもしれませんね。

 

 

最後に…

 

正上の店主は、町並みの研究をしている方が話していた

佐原の街並みの魅力についても話してくださいました。

 

その内容をまとめると、こうです。

 

 

佐原のような古い町並みは、

岡山県倉敷市や埼玉県の川越市にもあります。

 

昔からの古い町並みは普通、真っ直ぐ区画しています。

区画整理がやりづらいため、真っすぐにしているからです。

 

しかし、佐原の町は道が全部うねっているので

「この先に何があるんだろう」と歩いていて期待が膨らんでいく

 

それが佐原の魅力なのだと、その方は仰っていたそうです。

 

 

この先に何があるのか、そして誰と出会えるのか。

佐原の町には、時代を超えた出会いが待っているのかもしれません。

 

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

長々と書いてしまいましたが、千葉県香取市の佐原について

 知っていただけたら幸いです。

 

次回もお楽しみに…♪