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労働災害の基礎知識

皆さん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回お届けする内容は、「労働災害について」です。

 

 

この記事はこんな人におすすめ

 

労働災害(労災)とは

 

労働災害とは、

「労働者の就業に係る建築物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉塵等により、又は

作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し疾病にかかり、又は死亡すること」(労働安全衛生法2条1項)です。

 

労災保険

労働災害が発生すると、企業は労働基準法上の災害補償責任

(療養補償、休業補償、傷害補償、遺族補償、葬祭料)と、

民事上の損害賠償責任により、従業員の損害を填補しなければなりません。

 

労働基準法上の災害補償責任については、履行を担保するため

労働者災害補償保険法(労災保険法)が定められています。

 

労災保険から、労働基準法上の災害補償責任に相当する保険給付が行われた場合、

企業はその部分については補償の責めを免れるとされています。(労働基準法84条)

 

労災保険の給付

労災保険の給付には、以下の7つの給付があります。

 

①療養(補償)給付

 医療機関で療養を受ける場合

 

②休業(補償)給付

 疾病療養のため労働できず、賃金をもらえない場合

 

③障害(補償)給付

 傷病が治癒して障害等級該当の身体障害が残った場合

 

④遺族(補償)給付

労働者が死亡した場合

 

⑤葬祭料

労働者が死亡した場合

 

⑥傷病(補償)年金

療養開始後、1年6ヵ月経っても治癒しないで傷病等級にあたる場合

 

⑦介護(補償)給付

 一定の障害補償給付、傷病補償年金給付を受給し、

 常時または随時介護を受けている場合

 

 

労災保険給付は、企業に過失がなくても従業員に支払われます。

しかし、補償内容は損害の一部に限られます。

 

財産上の損害、例えば休業補償給付は平均賃金に定率を乗じたものです。

 

また、慰謝料は給付の対象にはなりません。

 

企業に過失があった場合には、

労災保険で填補されない損害(慰謝料や逸失利益など)について、

従業員より民事上の損害賠償請求訴訟を起こされることがあります。

 

また労災保険法に基づく給付がされた場合に、

すでに給付された損益相殺の対象となって損害額の対象から除外され、

特別支援金は損害の補填の性質を持ちません。

そのため、控除の対象からは除外されます。

 

損益相殺と逸失利益

 

先ほど、「損益相殺」と「逸失利益」といいう言葉が出てきたので説明をします。

 

損益相殺とは、簡単に言うと「すでにもらっている分を差し引いて請求すること」。

被害者が事故(この場合は労災になりますが)によって何らかの利益を得た場合や

その利益が損害の補填であることが明らかな場合は、その利益を控除します。

 

つまり損害の補填である給付を受け取った時は、その利益を差し引くということです。

 

次に、逸失利益についてお話します。

 

逸失利益は、交通事故や労災が原因で死亡した場合や

後遺障害が残ってしまった場合に、減った収入のことです。

 

労働災害の認定

労災保険の保険給付は、従業員本人か遺族が、労働基準監督署に請求します。

 

労働基準監督署長は仕事との因果関係を調査・検討し、

労災を認定するかを判断します。

 

労災認定の2つの要件

労災を認定するには、2つの要件を満たす必要があります。

 

業務遂行性

 従業員が事業者の指揮命令下にあること

 

業務起因性

 業務に伴う危険が具体化したもので、業務と疾病に因果関係が認められるもの。

 業務上の疾病の種類は、施行規則に規定がある

 

精神障害の労災認定が行われた場合、

心理的負荷による精神障害の認定基準」により業務上外を判断します。

 

2011年には、次の点が改められました。

 

改正された点

出来事と出来事後の総合評価を行う

②極度の長時間労働を突き160時間と明示

心理的負担「強」「中」「弱」の具体例を記載

④ハラスメントやいじめが長期間継続する場合、6ヵ月を超えて評価

⑤複数の出来事がある場合の具体的の評価方法を記載

 

 

セクシュアルハラスメントパワーハラスメントについても、

上記で述べた認定基準により業務上外の判断がされることになります。

 

 

まとめ

◎企業には、労働基準法上の災害補償責任として、

 療養補償・休業補償・障害補償・遺族補償・葬祭料がある

 

労災保険法に基づく保険給付において、逸失利益は補填されない

 

労災保険には、業務遂行性と業務起因性の2つの要件がある