《日商3級》試算表の解き方①
みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回は、「日商簿記3級で出題される試算表の解き方」についてです。
日商簿記3級で出題される試算表は、取引が項目別に与えられるパターンと
取引が日付順に与えられるパターンがあります。
今回は、取引が項目別に与えられるパターンについて書いていこうと思います。
例題
次の資料から残高試算表を完成させなさい。
なお、月初(10月1日)の残高は残高試算表の月初残高欄に示した通りである。
[資料]10月中の取引
(1)現金出納帳
①当座預金からの引出高 300円
②通信費の支払高 10円
(2)当座預金出納帳
①現金の引出高 300円
②売掛金の回収高 500円
③買掛金の支払高 400円
(3)仕入帳
掛けによる仕入高 450円
(4)売上帳
①掛けによる売上高 560円
② ①のうち値引高 30円
(5)その他の取引
(1)①と(2)の①の取引は、「当座預金口座から現金300円を引き出した」という
同じ取引なので、重複しています。重複する取引は、いずれか一方のみ仕訳します。
残高試算表
10月末残高 | 月中取引 | 月初残高 | 勘定科目 | 月初残高 | 月中取引 | 10月末残高 |
200 | 現金 | |||||
600 | 当座預金 | |||||
200 | 受取手形 | |||||
550 | 売掛金 | |||||
買掛金 | 500 | |||||
資本金 | 700 | |||||
売上 | 1,000 | |||||
600 | 仕入 | |||||
50 | 通信費 | |||||
2,200 | 2,200 |
各取引の仕訳と転記
10月中の取引から仕訳を作成し、
簡略化した総勘定元帳のフォーム(Tフォーム)に転記していきます。
※仕訳とTフォームは、下書き用紙に自分でつくります!
転記が全部終わったら、勘定口座(Tフォーム)ごとに
借方合計と貸方合計を計算します。
今回のように取引が項目別に並んでいる場合、
重複する取引(全く同じ仕訳)が存在することがあります。
その場合は、先程も述べましたがいずれか一方のみ仕訳します。
例題の取引を仕訳すると、以下のようになります。
(1)
① (現金) 300 (当座預金) 300
② (通信費)10 (現金) 10
(2)
①(現金) 300 (当座預金) 300
③(買掛金) 400 (当座預金) 400
(3)(仕入) 450 (買掛金) 450
(4)
①(売掛金) 560 (売上) 560
※重複する取引(1)①と(2)①はいずれか1つを消し、1回だけ仕訳されるようにします。
上記の仕訳をTフォームで示すと次のようになります。
現金 | |
(1)① 300 | (1)② 10 |
当座預金 | |
(2)② 500 | (1)① 300 |
(2)③ 400 |
売上 | |
(4)② 30 | (4)① 560 |
仕入 | |
(3) 30 |
売掛金 | |
(4)① 560 | (2)② 500 |
(4)② 30 | |
(5) 150 |
買掛金 | |
(2)③ 400 | (3) 450 |
受取手形 | |
(2)③ 400 | (3) 450 |
通信費 | |
(1)② 400 |
残高試算表欄には月初残高欄と月中取引欄があるので、
Tフォームに月初残高を書く必要はありません。
Tフォームは、よく出てくる勘定科目
(現金、当座預金、売上、仕入、売掛金、買掛金など)については
あらかじめつくっておきますが、それ以外(通信費など)は
その勘定が出てきたときにつくります。
Tフォームから試算表に記入
Tフォームの勘定口座ごとに計算した借方合計(10月中の取引)と
貸方合計(10月中の取引)を月中取引欄に記入します。
そして、月初残高欄の金額と月中取引欄の金額を合計し、
借方合計と貸方合計の差額を10月末残高欄に記入します。
残高試算表
10月末残高 |
月中取引 | 月初残高 | 勘定科目 | 月初残高 | 月中取引 | 10月末残高 |
490 | 300 | 200 | 現金 | 10 | ||
400 | 500 | 600 | 当座預金 | 700 | ||
350 | 150 | 200 | 受取手形 | |||
430 | 560 | 550 | 売掛金 | 680 | ||
400 | 買掛金 | 500 | 450 | |||
資本金 | 700 | 550 | ||||
30 | 売上 | 1,000 | 560 | 700 | ||
1,050 | 450 | 600 | 仕入 | 1,530 | ||
60 | 10 | 50 | 通信費 | |||
2,780 | 2,400 | 2,200 | 2,200 | 2,400 | 2,780 |
一番最後に、借方合計(月初残高+月中取引)と貸方合計(月初残高+月中取引)の
差額を計算して記入します。
現金の場合は、200円+300円-10円=490円となります。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
次回は、試算表の二つ目の解き方について書いていこうと思います。
次回もお楽しみに…♪