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帳簿の締め切り

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

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今回は、「帳簿の締め切り」についてです。

 

 

 

 

 

決算整理も終わり、当期の処理もいよいよ大詰めとなりました。

帳簿への記入が全て終わったら、最後に行うのは帳簿(勘定)を締め切る作業です。

 

詳しくみていきましょう。

 

 

帳簿を締めきるって、どういうこと?

 

帳簿には当期の取引と決算整理が記入されていますが、

次期になると次期の取引や決算整理が記入されていきます。

 

そこで、当期の記入と次期の記入を区別しておく必要があります。

次期の帳簿の記入に備え、帳簿(総勘定元帳)の各勘定を整理していくのです。

 

この手続きを、帳簿の締め切りといいます。

 

4STEPで帳簿を締め切る

 

帳簿の締め切りは、次の4つのステップで行います。

 

STEP1 収益・費用の各勘定残高の損益勘定への振り替え

 

STEP2 当期純利益当期純損失)の資本金勘定への振り替え

 

STEP3 各勘定の締め切り

 

STEP4 繰越試算表の作成

 

 

 

例題をもとに、それぞれのステップに沿って考えていきましょう!

 

 

例題

 

決算整理後の収益と費用の諸勘定の残高は、次のとおりである。

 

 

     売上  
      1,200
       

 

 

  受取地代    
      60
       

 

  仕入    
  950    
       

 

  支払家賃    
  50    
       

 

 

 

 

STEP1 収益・費用の各勘定残高を損益勘定に振り替える

 

帳簿の締め切りは収益と費用からはじまる

 

損益勘定で残高をゼロにする

 

帳簿の締め切りは、まず収益、費用の勘定から行います。

 

帳簿に記入されている収益と費用の金額は

当期の収益(費用)の金額なので、次期には関係ありません。

 

そこで、収益と費用の各勘定に残っている金額がゼロになるように整理します。

 

 

売上(収益)勘定の貸方に1,200円の残高があるので、

これをゼロにするためには、借方に1,200円を記入することになります。

 

そして、貸方損益という新たな勘定科目で処理します。

 

よって、売上勘定の振替仕訳は

(売上)1,200    (損益)1,200    となります。

 

 

この仕訳は、帳簿上に損益という勘定を設けて

売上勘定から損益勘定に振り替えたということを意味します。

 

同様に、受取地代(収益)の勘定残高も損益勘定に振り替えます。

 

よって、受取地代勘定の振替仕訳は

(受取地代)50    (損益)50    となります。

 

 

このように、収益の各勘定残高を損益勘定の貸方に振り替えることで

収益の各勘定残高をゼロにします。

 

 

費用の各勘定残高をゼロにするため、

費用の各勘定残高を損益勘定の借方に振り替えます

 

  

費用の振替仕訳は、

(損益)950    (仕入)950

(損益)50    (支払家賃)50       となります。

 

 

 

収益や費用の各勘定残高を損益勘定に振り替えると、損益勘定に貸借差額が生じます。

 

 

この差額は、収益の合計額と費用の合計額との差額なので、

当期純利益当期純損失となります。

 

※収益や費用を損益勘定に振り替えることを、損益勘定といいます。

 

 

費用合計は仕入950円と支払家賃60円の合計となります。

 損益勘定によって、帳簿上で当期純利益当期純損失)が計算されるのです。

 

 

STEP2 当期純利益当期純損失)を資本金勘定へ振り替え

 

 

損益勘定で計算した当期純利益は、資本金勘定へ振り替えます。

 

ここでは、当期純利益当期純損失)の

資本金勘定への振り替えについてみていきましょう。

 

 

例題

 

収益・費用の各勘定残高を振り替えた後の損益勘定は、次のとおりである。

当期純利益を資本金勘定に振り替えなさい。

 

 

  損益    
仕入 950 売上 1,200
支払家賃 50 受取地代 60
当期純利益 260        {      

 

 

  資本金    
      1,000
       

 

 

当期純利益は資本金勘定の貸方に振り替える

 

当期純利益は、お店の活動によって儲けが生じているということです。

お店はこの儲けを元手として、次期以降も営業していくことができます。

 

よって、当期純利益

資本金の増加として損益勘定から資本金勘定の貸方に振り替えます

 

 

当期純利益当期純損失)を資本金勘定に振り替えることを、資本振替といいます。

 

 

振替仕訳は、

当期純利益→元手の増加→資本金の増加

 

(損益)260    (資本金)260     となります。

 

借方は損益で処理

 

 

当期純損失は資本金勘定の借方に振り替える

 

 

当期純利益はお店の元手が増えている状態です。

一方、当期純損失は元手が減ってしまっている状態です。

 

したがって、当期純損失は資本金の減少として

損益勘定から資本金勘定の借方に振り替えます

 

 

 例えば、当期純損失が100円の場合の振替仕訳は…

貸方は損益で処理

 

(資本金)100           (損益)100     となりますね。

 

当期純損失→元手の減少→資本金の減少

 

 

 

STEP3 帳簿の締め切り

 

当期純利益当期純損失)を資本金勘定へ振り替えた後は、

収益・費用と資産・負債・純資産の各勘定を締め切ります。

 

それぞれ締め切り方が違うことに注意しながら、

どのように締め切るのかをみていきましょう。

 

 

例題

決算整理後の諸勘定の残高(一部)は次のとおりである。

各勘定を締め切りなさい。

 

※支払家賃勘定、受取地代勘定は省略

 

  売上    
損益 1,200   1,200

 

  仕入    
  950 損益 950
       

 

  現金    
  350    

 

  資本金    
      1,000
    損益 260

 

  損益    
仕入 950 売上 1,200
支払家賃 50 受取地代 60
資本金 260    

 

  買掛金    
      700

 

 

 

 

収益・費用の諸勘定の締め切り

 

 

収益と費用の各勘定残高は損益勘定に振り替えられているので、

各勘定の借方合計と貸方合計は一致しています。

 

そこで、各勘定の借方合計と貸方合計が一致していることを確認し

二重線を引いて締め切ります。

 

例題の収益・費用の勘定の締め切りを示すと、以下のようになります。

 

※赤字のところが、二重線を引く箇所です。

 

  売上    
損益 1,200   1,200

 

  仕入    
  950 損益 950

 

  損益    
仕入 950 売上 1,200
支払家賃 50 受取地代 60
資本金 260    
  1,260  合計額を記入して締め切る→ 1,260

 

 

資産・負債・純資産の諸勘定の締め切り

 

資産、負債、純資産の各勘定のうち、期末残高があるものは次期に繰り越します。

したがって、借方または貸方に「次期繰越」と金額を赤字で記入してから

借方合計と貸方合計一致させて締め切ります。

 

※試験では、赤字ではなく黒字で記入します。

 

締め切った後は、「次期繰越」と記入した側の反対側に

前期繰越」と金額を記入します。

 

  現金    
  350 次期繰越 350

 

借方合計と貸方合計を一致させてから締め切る

 

  

  現金        
  350 次期繰越 350 }当期の記入  
前期繰越 350     }次期の記入  

 

 

例題の資産・負債・純資産の締め切りを示すと、以下のようになります。

 

  現金    
  350 次期繰越 350
前期繰越 350    

 

  買掛金    
次期繰越 700   700
    前期繰越 700

 

  資本金    
次期繰越 1,260   1,000
    損益 260
  1,260   1,260
    前期繰越 1,260

 

次期繰越は貸借差額

 

 

※その他の資産・負債・純資産の勘定も同様に締め切ります。

 

 

 

STEP4 繰越試算表の作成

 

帳簿の締め切りの最後のステップは、繰越試算表の作成です。

どのように作成していくのかを、みていきましょう。

 

 

例題

 

次の各勘定の記入に基づいて、繰越試算表を作成しなさい。

 

  現金    
  350 次期繰越 350
前期繰越 350    

 

  売掛金    
  610 次期繰越 610
前期繰越 610    

 

  建物    
  1,000 次期繰越 1,000
前期繰越 1,000    

 

  買掛金    
次期繰越 700   700
    前期繰越 700

 

  資本金    
次期繰越 1,260   1,000
    損益 260
  1,260   1,260
    前期繰越 1,260

 

 

 

 

繰越試算表とは

 

資産、負債、純資産(資本)の期末残高は、次期に繰り越します。

そこで、次期に繰り越した金額が正しいかをチェックするために、

資産、負債、純資産(資本)の各勘定の次期繰越額を表す繰越試算表を作成します。

 

 

 

例題の各勘定から繰越試算表を作成すると、以下のようになります。

 

 

                  繰越試算表

                 ×1年12月31日

 

借方 勘定科目 貸方
350 現金  
610 売掛金  
1,000 建物  
  買掛金 700
  資本金 1,260
1,960   1,960

 

繰越試算表には、各勘定の次期繰越額のみを記入します。

 

試算表なので、借方合計と貸方合計は必ず一致します。

一致しなかったらミスをしていることになるので、勘定の締め切りを見直しましょう!

 

 

 

 

お疲れさまでした!

ここまで長々と説明をしてきましたが、帳簿の締め切りに関してはこれにて終了です!

 

 

これまで簿記3級の記事を更新してきましたが、

簿記3級の内容は今回が最後の記事となります。

 

この記事を読んでくださった方に少しでも役立てていれば幸いです。

私も改めて良い復習の時間になりました。

 

簿記3級の記事は今回で終わりですが、

滞っていたメンタルヘルス・マネジメントの記事など更新していきたいと

思いますので、楽しみにしていてください!

 

それでは、次回もお楽しみに…♪