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ストレスを高める3つのリスクとは?

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

 

久しぶりにメンタルヘルス・マネジメントの記事を更新していきます。

今回は、「ストレスに気付くための方法」です。

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

  • 仕事に関するストレスにはどのようなものがあるのか
  • 仕事以外のストレスの特徴

 

について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

ストレスに関するリスク

 

 

ストレスは組織の経営にも影響を与える

 

従業員はストレスを抱えると、

仕事のモチベーションや生産性が低下する傾向があります。

 

その結果、組織の競争力が低下して経営に悪影響が出る場合があるのです。

 

経営状況が悪化すると、従業員の業務負荷が増えてしまい、

ますますストレスが増加してしまうという悪循環に陥ってしまいます。

 

 

 

職場のストレスを高める3つのリスク要因

 

ストレスモデルによれば、次の3つの条件が当てはまると

最も従業員のストレスが高くなるといわれています。

 

 

仕事で要求される度合いが大きい

 ⇒仕事量が多い、難易度の高い業務を担当する など

 

自由裁量の度合いが小さい

 ⇒業務を決定する権限がない、自分のペースで仕事を進められない など

 

 ③社会的支援(ソーシャルサポート)が得られない

 ⇒同僚、上司、友人、家族など周囲からの理解や協力、助けがない など

 

 

 

ソーシャルサポートに土江忘れてしまった方は、今一度復習しておきましょう!

 

jyumeno.hatenablog.com

 

 

 

ストレス要因には個人差がある

 

ストレス要因やストレスの感じ方には、大きな個人差があります。

大きく分けると、以下の4つになります。

 

 

①ストレス要因は、業種、職種、職位などによって異なる

 ⇒メーカーと金融機関、事務職と営業職、一般社員と管理職 など

 

②ある出来事がストレス要因になるかどうかは、

 その人の受け止め方(どう認知するか)により異なる

 

 例えば…

 水が入ったコップが、目の前にあります。

 それを見て、あなたはどう思いますか?

 

 A 水がたった半分しか入っていない

 B 水が半分も入っている

 

 

 

 

みなさんは、AとB、どちらを選びましたか?

 

 

 

 

 

正解は…どちらでもOKです。

 

 

 

どう認知するか(受け止めるか)はあなた次第なので、

「私はAだな」と思ったのであればそれでいいと思いますし、

「Bだよ」という方もそれでいいと思います。

 

自分が物事をどう捉えるかは、その人自身が決めることです。

 

ただ、結果が同じであればネガティブ思考よりもポジティブ思考の方が

楽しくなると思いませんか?

 

ポジティブな考え方は、良いことを引き寄せます。

ネガティブ思考か、ポジティブに捉えるか。

どんな時でも前を向いた人が進んでいけると、私は思います。

 

「水が経った半分しか入っていない」と捉えるか、「水が半分も入っている」と

捉えるかで、ストレスの度合いは大きく異なっていきます。

 

 

悲観的なものの見方をする人は、楽観的な人に比べて

 抑うつ尺度の点数が高くなる傾向があります。

 

 

 いかにポジティブ思考が大事かということがわかります。

 

 

④同じストレス要因のある職場で働く従業員でも、

 ストレスへの対処方法、問題解決能力、対人スキルなどの個人差によって

 ストレスの深刻さは異なります。

 

 

 

仕事に関するストレスの評価

 

職場においてストレスとなる出来事

 

厚生労働省は、仕事による心理面での負荷の強度を判断するため、1999年に

心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」を作成しました。

しかし、2011年12月に「心理的負荷による精神障害の認定基準」の施行に伴い、

1999年の判断指針は廃止されました。

 

新たな認定基準では、

心理的負荷評価表」は業務によるものと業務以外のものに分けられ、

それぞれ出来事が6つの類型に分類されています。

 

業務による心理的負荷評価表
(1)事故や災害の体験
(2)仕事の失敗、過重な責任の発生等
(3)仕事の量や質の変化
(4)地位・役割の変化
(5)対人関係
(6)セクシュアルハラスメント

 

業務以外の心理的負荷評価表
(1)自分の出来事
(2)自分以外の家族・親族の出来事
(3)金銭関係
(4)事件、事故、災害の体験
(5)住環境の変化
(6)他人との人間関係

 

 

心理的な負荷の強度は、Ⅰ(弱)、Ⅱ(中)、Ⅲ(強)で示され、

具体例が載せられています。

 

 

「業務による心理的負荷評価表」と「業務以外の心理的負荷評価表」は

試験に出題される可能性があるので、必ず確認しておきましょう!

 

「業務による心理的負荷評価表」と「業務以外の心理的負荷評価表」は

以下の記事にもまとめているので、是非参考にしてみてください!

 

 

jyumeno.hatenablog.com

 

 

 

仕事以外のストレスの評価

 

43項目あるチェックリストが示すものとは

 

従業員の心身に影響を与えるのは、職場のストレスだけではありません。

家庭生活からも大きなストレスを受けることがあります。

 

1960年代に、アメリカ、ワシントン大学精神科のHolmesらは、

生活環境の変化や生活上の出来事(ライフイベント)と

疾患との関連について研究を行いました。

 

生活上の重大な出来事やそれに伴う環境の変化などから、心身の疾患の発症が

発症以前に体験した生活上の出来事と深く関係しているとHolmesらは考えました。

 

そうして1967年に作成されたのが、「社会的再適応評価尺度」です。

これは、43項目あるチェックリストです。

 

過去1年間に経験したライフイベントの数とストレス値を掛け合わせた数値が

一定以上になると、何らかの疾患にかかりやすくなるというものです。

 

この社会的再適応評価尺度からは、以下の2うのことがわかります。

 

①ストレス値の高い生活上の出来事は、仕事以外のものが多い

 

②ストレス値の上位は、「配偶者/家族との別離」に関するものが占めている

 ⇒1位 配偶者の死、2位 離婚、3位 別居、5位 家族の死

 

 

〇Holmesらによる社会的再適応評価尺度*1

 

順位 出来事 ストレス値
1 配偶者の死 100
2 離婚 73
3 夫婦別居生活 65
4 拘留、または刑務所入り 63
5 家族の死 63
6 自分の病気や傷害 53
7 結婚 50
8 解雇 47
9 夫婦の和解調停 45
10 退職 45
11 家族の病気 44
12 妊娠 40
13 性的障害 39
14 新たな家族成員の増加 39
15 職業上の再適応 39
16 経済状態の変化 38
17 親友の死 37
18 転職 36
19 配偶者との口論の回数の変化 35
20 約1万ドル以上の借金 31
21 担保、貸付金の損失 30
22 仕事上の責任の変化 29
23 息子や娘が家を離れる 29
24 姻戚とのトラブル 29
25 個人的な輝かしい成功 28
26 妻の就職や離職 26
27 就学・卒業・退学 26
28 生活条件の変化 25
29 個人的な習慣の変更 24
30 上司とのトラブル 23
31 仕事時間や仕事上兼の変化 20
32 住居の変更 20
33 学校をかわる 20
34 レクリエーションの変化 19
35 教会活動の変化 19
36 社会活動の変化 18
37 約1万ドル以下の借金 17
38 睡眠習慣の変化 16
39 親戚づき合いの回数の変化 15
40 食習慣の変化 15
41 休暇 13
42 クリスマス 12
43 ささいな違法行為 11

 

出典:Holmes-Rahe,The Social Readjustment Rating Scale.Journal of Psychosomatic 

          Research,(1967)より訳

 

 

 

また、Holmesらは「ライフイベントの回数×ストレス値」が300点以上になると

79%の人に疾患の発症がみられるとしています。

 

 

 

近年多様化する生活上のトラブル

 

昨今の社会構造上の変化により、生活上のトラブルは複雑化しています。

生活上のトラブルは、以下の通りです。

 

◇近年の様々なトラブル

 振り込め詐欺、インターネットのワンクリック詐欺、キャッチセールス、

 迷惑メール、頻繁な宗教の勧誘、不倫問題、ストーカー など

 

 

 

 

まとめ

 

◎職場のストレスのリスク要因には、仕事の要求度と自由裁量の度合いだけでなく、

 社会的支援の有無もある

 

◎従業員は強いストレスを感じると、

 仕事のモチベーションや生産性を低下させる傾向にある

 

◎ストレスになるかどうかは「どう捉えるか(認知するか)」であり、

 対人関係のスキルなどによって個人差がある

 

◎Holmesら「社会的再適応評価尺度」というチェックリストを作成した

 

◎結婚や進学などは大きな環境の変化を伴うため、ストレス要因となりうる

 

◎職場でセクシュアルハラスメントの被害者になることは、

 業務による心理的負荷評価表に含まれている

 

 

 

 

 

 

*1:赤字は喜ばしいと思われるがストレスとなるもの