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北海道スタイルが丸わかり!北海道博物館が掲げる5つのテーマ

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

前回に引き続き、世界のあこがれ〜北海道ブランド〜から、

北海道博物館の魅力に迫ります。

 

今回は、第2回目です!

 

北海道博物館が設定している5つのテーマと

展示内容について詳しくみていきます。

 

 

 

 

5つのテーマから見える北海道の歴史と文化

 

北海道博物館の総合展示室では、マンモス象と

ナウマン象の全身復元骨格が象徴展示されています。

 

ですが、これはプロローグにすぎません。

 

総合展示室は、大きくわけて5つのテーマに分かれています。

1階に2つのテーマ、2階に3つのテーマの展示を設けています。

 

まずは、1階の2つのテーマから見ていきましょう。

 

 

120万年を巡る旅

 

まず1階にある第1テーマは、

「北海道120万年物語」。

 

120万年前というと、当然人間は存在していません。

北海道が現在の北海道のような形をしている、とも限りません

 

当時は、大地や海で動物や植物などの

様々な生物が育っていたと推測できます。

 

そんな120万年前の時代から、

明治前期までの北海道の歴史を辿っていきます。

 

120万年間を辿るという、歴史色の強い展示となっています。

 

ところどころで、「北東アジアの中で北海道を見る」と

いう歴史の伝え方をしています。

 

ここで、コンセプトが登場してきましたね。

 

みなさん、覚えていますか?

 

1つ目のコンセプトは、

北東アジアの中の北海道」でしたよね。

 

このコンセプトに沿って展示がつくられています。

 

そのため、本州より南にある博物館ではなかなか感じられない

歴史のダイナミック感やロマンを感じ取れる展示となっています。

 

学ぶのは過去だけじゃない!アイヌ文化の「今」を考える

 

第2テーマは、「アイヌ文化の世界」。

 

みなさんもご存知の通り、北海道の先住民族アイヌ民族です。

 

多くの博物館で展示されているアイヌ民族

アイヌ文化についての展示というのは、

 

江戸時代に描かれた絵や、主に近代以降にコレクターが

収集した民具*1が多いです。

 

前回の記事の冒頭にも述べましたが、北海道博物館の

開設に伴い、同じく道立の施設だった

アイヌ民族文化研究センターと統合しました。

 

アイヌ民族文化研究センターでは、アイヌの人々の言葉

代々受け継がれてきた音楽、踊り、物語などの無形文化

(かたちにならないもの)をたくさん研究してきました。

 

このセンターと統合することにより、アイヌ文化を扱う

展示においてはあまり見られなかった要素がかなり詰まっています

 

たとえば…

 

  • アイヌの人々の伝統的な道具
  • アイヌの人々に伝わってきた物語をアニメに入れる
  • アイヌの人々の伝統的な音楽を聴く

 

ことなどを行っています。

 

また、実際に楽器を触って音を鳴らすコーナーや

さいころを4つ置いて、それを転がすとアイヌ語の文法や

単語がわかるというような魔法さいころといったものもあります。

 

この「アイヌ文化の世界」の展示で1番伝えたいこと。

それは、アイヌの人々の現在です。

 

アイヌの人々は、今どうしているのか」を

知ってもらうコーナーも設けています。

 

どうしてもアイヌ文化というと、過去のことばかりに

目が行きがちです。

 

しかし、「もの」だけではなく形がないものや

現在についても考えることがとても大切なんですね。

 

 

北海道スタイルの成り立ちについて考える

 

さて、次は2階のフロアに移ります!

 

2階には、3つのテーマがあります。

 

第3テーマは、「北海道らしさの秘密」。

 

エスカレーターを上がって1番最初に見えてくるのが、

北海道鳥瞰図です。

 

北海道鳥瞰図とは、絵の複写物。

鳥の目線から描いている、北海道の絵図のようなものです。

 

これには、今から80年前の北海道が描かれています

 

北海道の開拓の進展や、現在の北海道の状況につながる

地理的状況が非常によくわかる、象徴的な絵です。

 

自分のゆかりの場所を探すだけで数十分かかる人も、多いのだとか。

 

そして、この展示には「北海道スタイル」という

北海道ならではの暮らし方も紹介しています。

 

たとえば…

 

室内の暖かさや、ジンギスカンなどの羊を好んで食べること、

赤飯には甘納豆…など。

 

室内の暖かさに関しては冬の寒さを凌ぐために窓が

二重になっていたり、ロードヒーティングが敷かれていたり…。

 

挙げればキリがないですが、そのような暮らし方のことも

含めて、この展示ではみなさんに考えてもらいたいことがあるんです。

 

それは…

 

 

博物館として集めた「北海道らしいもの」を通して、

北海道スタイルの成り立ちをみんなで考えよう、ということ。

 

普段何気ない生活を送っている北海道スタイルですが、

その成り立ちを考えるということは、とても大切なことです。

 

先人の人々の様々な知恵や精神を積み重ねていった結果、

今の私たちがあるということは、忘れてはいけないことだと思います。

 

それは、アイヌ文化に限ったことではありません。

 

今の私たちがいるのは、先人たちのおかげ

 

そのことを感じられるコーナーが、「アイヌ文化の世界」なんですね。

 

 

足踏みミシンからわかる意外な歴史

 

第4テーマは、「私たちの時代へ」。

 

第1テーマでは、明治の開拓が始まるぐらいまでの歴史を扱っていました。

 

しかし、この第4テーマでは

ここ100年ぐらいの北海道の歴史を辿っていきます。

 

第4テーマでは、昔の足踏みミシンが展示されています。

 

この足踏みミシン、実はある景品として送られたものなんです。

それは何か、みなさんはわかりますか?

 

正解は…

 

 

 

お年玉付き年賀ハガキです!!

 

 

昭和30年のお年玉付き年賀ハガキの特等賞品が、

その足踏みミシンだったんです!

 

実はこの事実、あまり知られていません

 

この足踏みミシンは、当時上磯町で長らく使用されていました。

その発端は、先程も述べた「お年玉付き年賀ハガキ」です。

 

 

このお年玉付き年賀ハガキ、いつから始まったと思いますか?

 

 

お年玉付き年賀ハガキは、昭和25年が始まりと言われています。

 

展示されているミシンは、その5年後の特等商品のものと

いうことなので、かなり早い段階のものです。

 

 

自然を人との関わりから読み解く

 

そして、最後の第5テーマは「生き物たちの北海道」。

 

 

気温上昇や地球温暖化外来種の問題や自然破壊…など

解決すべき環境問題は山積しています。

 

特に外来種については、北海道にずっと住み着いている

北海道純粋のもの、つまり従来種ばかりがいるわけではありません

 

第5テーマでは、北海道の自然を人との関わりという

視点で考える展示を行っています。

 

子供たちにも分かりやすいような展示を組み立てています。

ちなみに、入口はクマの形をしています。

 

 

 

北海道幕別町で発掘されたナウマンゾウは、なぜ貴重なのか

 

北海道博物館の中で世界的に評価の高い史料や展示物は、

入口に展示してあるナウマン象です。

 

展示しているのは、全身の復元骨格となります。

 

そのナウマン象は、現在の幕別町で発掘されたものです。

 

ナウマン象自体は、日本各地で発掘されてきました。

しかし北海道で発掘されたナウマン象は、

それらとは明らかな違いがあったんです。

 

その違いとは、一体何だったのでしょうか?

 

 

それは…

 

 

幕別町で発掘されたナウマン象は、

ほぼ1体分の化石がまとまって出てきたこと。

 

これが、かなり珍しい。

 

他のところで発掘されたのは、

 

  • 牙だけ
  • 歯だけ  などの一部分。

 

つまり、ナウマンゾウの化石が一部分しか

発掘されなかったのです。

 

ナウマン象の化石が、ほぼ1体分まとまって発掘されたこと

非常に価値が高く、世界的にも評価の高い史料といえます。

 

 

発見って楽しい!探求心を育てる「はっけん ひろば」

 

北海道博物館のその他の見どころは、

はっけん ひろば です。 

 

ここでは、

 

  • いろいろな昔の道具を体験
  • いろんな動物の毛皮に触る
  • 巨大アンモナイトに触る   ことができます。

 

子供たちが自由に選んで体験できるので、

様々なことを発見することができる部屋になっています。

 

しかし、今はこの部屋はコロナの影響で封鎖しています。

 

土曜、日曜、祝日はイベントを開催しているのですが

今の社会情勢下では困難なため、現在はイベントを中止しています。

 

以前のようにとはいかないかもしれませんが、

また北海道博物館を訪れる人が増えますように…。

 

コロナの収束を、1日も早く。そう願わずにはいられません。

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

次回もお楽しみに…♪

 

 

*1:アイヌの人々が使用していた伝統的な道具