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北海道のトドマツ・カラマツ、なぜ全国で需要が高まっている?北海道だからこそ、選ばれているそのワケとは

 

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、世界のあこがれ~北海道ブランド~から。

テーマは、北海道のカラマツ・トドマツです!

 

広大な森林が広がる北海道。

 

その中でも、カラマツ・トドマツは良質な木材として

全国的に需要が高まっています。

 

北海道立総合研究機構林産試験場の酒井明香さんと

北海道水産林務部林業木材課の今廣佐和子さんをゲストに、

北海道のカラマツ・トドマツについて伺います。

 

今回のポイントは…

 

地材地消

 

地産地消ではないですよ。

 

さて、この地材地消が表すことは一体何でしょうか。

みなさんも、一緒に考えてみてくださいね。

 

 

 

 林産試験場ってどんな仕事をしているところ?

 

酒井さんが勤務する林産試験場。

 

「林産試験場ってなに?」と思っている方は、多いと思います。

 

まずは、林産試験場ではどのような仕事をしているのかを

みていきましょう。

 

林産試験場では、北海道の木材やキノコについて研究しています。

 

木材の使い道を増やしたり、木材を有効に使ったり

木材の良さを一般の方にも伝えることを行っています。

 

また、木材だけでなく美味しいキノコの開発旭川で進めています。

 

木材だけでなくキノコの研究もされている、という

意外な事実もわかりましたね。

 

親しみがさらに湧いてきました!

 

林業木材課って、何をするところ?

 

そして…今廣さんが所属する林業木材課についても知っておきましょう。

林業木材課では、どのような仕事が行われているのでしょうか?

 

林業木材課は、その名の通り林業と木材に関する仕事

している部署になります。

 

木を切って植えて育てて…という林業に関わる施策

切った木を流通させて加工して売るといった木材産業の部分に

関わる施策を担っているのが、林業木材課の主な仕事です。

 

育てて、さらに「経済にのせていく」ことまでしているんです。

 

林業に関わる施策を幅広く行う。

これを、専門用語で「川上から川下まで」といいます。

 

それほど幅の広い施策を行っているということが、

「川上から川下」という言葉でよくわかりますよね。

 

さて、林産試験場と林業木材課についてわかったところで…

林業の基本の話から入っていきたいと思います。

 

森林面積がダントツ1位!北海道の約7割が森林という驚きの事実

 

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北海道の森林面積は、554万ヘクタール

 

気の遠くなるような面積ですが…

これは、全国の森林の約5分の1にあたります。

 

森林面積の都道府県ランキングでは、もちろん北海道がダントツの1位です。

 

ちなみに…

 

北海道民あたりの森林面積がだいたい1ヘクタールほど。

これは、全国平均の5倍にあたります!

 

1人あたりに換算すると1ヘクタールという考え方が面白いですよね。

 

では、道内の何%くらいがその森林にあたるのでしょうか?

 

北海道の面積は約780万ヘクタール

この面積もかなり広大で驚きですが、驚くべきはその森林の多さ

 

北海道の面積のうちの約7割が森林となっているんです!

 

すごいですよね!

 

そのうち、人工林の面積は約150万ヘクタール。

人工林は、北海道にある森林のうちの約3割です。

 

木が利用できるまでには30年~40年かかる

 

3割を占める、人工林。

 

人の手が加わっているということなのですが、

カラマツ、トドマツの人工林の何割が利用木を迎えているのでしょうか?

 

まず、利用木の考え方なのですが

標準的に伐採しても良い木の年齢というものがあります。

 

カラマツだと、植えてから30~35年

トドマツでは、40年が目安となっています。

 

その目安を越えた割合は、カラマツが8割、トドマツが6割

 

この目安を越えた木は、利用木を迎えているということになります。

 

しかしながら、当然木が成長するには時間がかかります。

 

利用できるくらいに育つまで、30年から35年、そして40年と

とても長い年月がかかるからです。

 

北海道のカラマツ・トドマツの生産量

 

そんな、北海道のカラマツとトドマツの生産量。

平成30年の実績ではカラマツが200万㎥トドマツが約190万㎥です。

 

トドマツに関しては、エゾマツという別の木と

一緒になって一部流通しています。

 

立方メートルという単位、そもそもどのくらいの大きさ? 

 

ちなみに、この㎥(立方メートル)という単位。

みなさん、どのくらいか想像できますか?

 

酒井さんも、一般の方にこの単位を大きさを伝えるのが難しいと

悩んでいるようなのですが…

 

まず、みなさん!

両腕を胸の高さに組んで、輪をつくってみてください!

 

できましたか?

 

その輪の大きさは、だいたい38~40㎝ほど。

38~40㎝くらいの直径の円が、できています。

 

この円の直径、胸の高さの直径と書いて「胸高直径」というのですが

みなさんが今つくってくださった円の直径、胸高直径と

高さ20mに育った木の幹の部分がちょうど1㎥なんです!

 

㎥の大きさ、これでよくわかりましたよね?

 

一戸建てで使われる木材の量

 

だいたい一戸建てで木造の家を建てるとしたら、使われる木材は

どのくらいあると思いますか?

 

床面積が150平米の木造住宅なら、30㎥ほどの木材が使われています。

 

これでまた、㎥のイメージが広がったのではないでしょうか、みなさん。

 

北海道のカラマツとトドマツ そのシェア率に驚愕!

 

さて、北海道の生産量の話に戻りますが…

北海道のカラマツ・トドマツの生産量は全国で何割を占めているのか。

 

みなさんはわかりますか?

 

私はこれを聞いて驚きました…。

 

 

正解は…

 

 

カラマツが約7割トドマツに至っては、99%を占めています!

しかも、これは北海道で生産されたものです。

 

これは2018年のデータになりますが、それにしてもすごいですよね…。

 

トドマツはほぼ全てが北海道が生産したものとなっているのですが、

実は、トドマツの寿命が延びているということなんです!

 

これは、どういった理由なのか。

 

もともとは、家の中の小さな木材に使用されることが多かったトドマツ。

 

トドマツが大きくなってくるにしたがって、

その品質の高さが本州のメーカーに注目されるようになりました

 

トドマツは、白くてやわらかくて、滑らか

その性質と北海道にしかないという付加価値が加わり

本州のメーカーにも引っ張りだこというわけなんです。

 

やはり、北海道にしかないというのは何よりの強みです。

 

北海道のイメージというと、みなさんはどんな色を想像しますか?

森林の緑ですか?それとも、雪の白ですか?

 

北海道のイメージというと、雪国ということで

白をイメージする方も多いのではないでしょうか。

 

白くて美しいというのがトドマツの売りで、とても優しげな雰囲気もある。

北海道の雪国の雰囲気ととても合っているような気がしますよね。

 

 

トドマツは白いということ以外にも、特徴があります。

それは、軽くて加工がしやすいということです。

 

表面がとても滑らかで、色のばらつきも少なく

内装材や家具の材料としても人気が高まっています

 

 

地産地消じゃなくて、地材地消?地材地消が表す意味とは

 

地産地消という言葉は、みなさんもよく聞きますよね。

 

地元の食べ物を地元で消費するということなのですが、

地材地消は違います。

 

消費するのは食べ物ではなく、木材です。

 

地域で生産された木材や木材でできた製品を地域で有効利用、

消費していこうというのが地材地消になります。

 

地域で有効に利用する、近くで使う。

そうすることで得られるメリットがあります。

 

それは、地元で採れた木材を地元で使うことによって、

地元の森や山を守ることにつながるということです。

 

それはなぜか。

 

地域で育った木材を使うためには、木を切り出しますよね。

それが売れると、お金になります。

 

そのお金が山の収入となり、木を植えて、育てて、また切って…という

サイクルが地域の中で回っていきます。

 

植えて、育って、切って、使って、また植える

 

そのサイクルをぐるぐると回っていることが、

人が手を入れた人工林が健全に保たれているという状態。

 

そのサイクルを地域で回すことにより、地域の林業や木材産業、ひいては

経済の活性化にもつながります。

 

最近は、災害がとても多いですよね。

土砂災害などを防ぐためにも、国土を保全していくことは必要不可欠です。

 

地元のものを地元で使うということは、輸送コストも安くて済みます

さらに、CO₂の排出などの環境面にも優しいというメリットもあります。

 

地材地消で地元で消費することは、

それだけの良いことがあるということなんですね。

 

地材地消の具体例としてはいろいろな例がありますが、

少しだけご紹介しますね。

 

地元の木材で家を建てることは、容易に想像できますが

ぐたいてきには、十勝を中心に様々な業種の方々が連携して

家づくりを行う「十勝の木で家をつくる会」があります。

 

その名の通り、十勝で採れた木を使って

十勝で家をつくっていこうという取り組みです。

 

あとは、置戸町の名産である桶クラフト。

 

置戸町の木を使って、置戸町で皿や食器などを加工している木工品、桶クラフト。

 

これも地材地消の1つです。

 

津別町や東川町などにも、北海道の木材を使ってつくられたものがあります。

 

それら全てが、地材地消ということになりますね。

 

現在使われている木は、人が植えた人工材がほとんど。

 

世代を超えて植えて育てて使われる自然なので、将来のことを考えて山に木を植林していくことが大切になってきます。

 

世代を超えて山を守り、木を伐採したあとも何十年も家として生き続ける。

 

それが、地材地消の素晴らしさなんですね。

 

地材地消の意味、みなさんはもうわかりましたよね。

 

 

北海道のトドマツ・カラマツについてお届けしてきました。

 

みなさん、いかがでしたか?

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

 

次回も引き続き、北海道のトドマツ・カラマツについてお伝えします!

 

次回もお楽しみに…♪