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貸倒れと貸倒引当金

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みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

 

今回は、「貸倒引当金と貸倒れ」についてです。

 

取引先や得意先の突然の倒産で、損失が出ることがあります。

その時どのように処理していくのかをみていきましょう!

 

 

 

 

 

 

当期からお付き合いしている得意先のベリカ店が倒産してしまい、

当期に掛けで売り上げた代金200円が回収出来なくなってしまいました。

 

この時、仕訳はどうなるでしょうか?

 

 

 

会社の倒産で、売掛金受取手形が回収できなくなる

 

貸倒れとは?

 

得意先の倒産などにより、

得意先に対する売掛金受取手形が回収できなくなることがあります。

 

これを、貸倒れといいます。

 

売掛金が貸倒れた時は売掛金を回収することができないので、売掛金を減少させます。

 

また、借方科目は貸し倒れた売掛金受取手形

当期に発生したものなのか、前期以前に発生したものなのかによって異なります。

 

つまり、当期(今年度)に売り上げたか、

前期(前年度)に売り上げかによって違ってくるということです。

 

 

当期に発生した売掛金が貸倒れた時

 

当期に発行した売掛金が貸倒れた時は、貸倒損失(費用)として処理します。

 

 

用語解説

当期…(お店の)今年度のこと

 

貸倒れ…得意先の倒産などによって、売掛金受取手形が回収できなくなること

 

 

 

例題を解きながら、一緒に考えていきましょう。

 

例題

<取引> ×1年10月22日

 

得意先ベリカ店が倒産し、売掛金200円(当期に発生)が貸倒れた。

 

 

当期に発生した売掛金が貸し倒れたので、売掛金を減少させます。

 

よって仕訳は、

(貸倒損失)200 売掛金)200

 

となります。

 

 

 

決算日における貸倒れ引当金の設定

 

今日は決算日です。ベリカ店の倒産により、売掛金受取手形は必ずしも

回収できるわけではないと痛感したユメノ店。

 

そこで、万一に備えて決算日時点の売掛金500円について、

2%の貸倒れを見積ることにしました。

 

この時、仕訳はどうなるでしょうか?

 

 

貸倒れに備えた金額が貸倒引当金

 

ベリカ店のように、売掛金受取手形は貸倒れてしまう恐れがあります。

そこで、決算日に残っている売掛金受取手形が将来どのくらいの割合で

貸倒れる可能性があるかを見積って、あらかじめ準備しておく必要があります。

 

この貸倒れに備えた金額を貸倒引当金といいます。

 

 

※貸倒額を見積もって、貸倒引当金として処理することを

 「貸倒引当金を設定する」といいます。

 

 

決算日における貸倒引当金の設定①

 

ここからは、例題を解きながら仕訳の仕方について

一緒に考えていきましょう♪

 

 

例題

<取引> 12月31日

 

決算日において、売掛金の期末残高500円について、

2%の貸倒引当金を設定する。

 

 

貸倒引当金の設定額は、以下の計算式で求められます。

 

貸倒引当金の設定額=売掛金受取手形の期末残高×貸倒設定率

 

売掛金の期末残高500円に対して、2%の貸倒引当金を設定するので、

設定する貸倒引当金

 

500円×2%=10円       となります。

 

 

※試験では、貸倒設定率(何%見積もるか)は問題文で与えられます。

 

 

貸倒引当金の設定額は、

500円×2%=10円     とわかりましたね。

 

貸倒引当金資産(売掛金受取手形)のマイナスを意味する勘定科目なので、

貸方に記入します。

 

また、借方は貸倒引当金繰入(費用)の勘定科目で処理します。

 

したがって、仕訳は

(貸倒引当金繰入)10 (貸倒引当金)10

 

となります。

 

 

決算日における貸倒引当金の設定②

 

ユメノ店が前期より貸倒引当金を設定し、

貸倒引当金が期末において5円残っていたとします。

 

このように、貸倒引当金の期末残高がある時は

当期の設定額と期末残高との差額だけを追加して貸倒引当金を計上します。

 

この方法を、差額補充法といいます。

 

 

用語

期末…(お店の)今年度(当期)の最後の日。決算日のこと。

 

貸倒引当金…将来発生すると予想される売掛金受取手形の貸倒れに備えて

      設定する勘定科目

 

差額補充法…当期末に見積もった貸倒引当金と貸倒引当金の期末残高の差額だけ、

      貸倒引当金として処理する方法

 

 

 

貸倒引当金残高がある場合の設定額

 

①貸倒引当金の設定額

   →500円×2%=10円

 

②貸倒引当金の期末残高

   →5円

 

③追加で計上する貸倒引当金

   →10円ー5円=5円

 

 

よって仕訳は、

(貸倒引当金繰入)5 (貸倒引当金)5

 

 

となります。

 

 

貸倒引当金の期末残高が当期の設定額より多い場合は差額だけ貸倒引当金を減らし

貸方は貸倒引当金戻入(収益)の勘定科目で処理します。

 

 

前期以前に発行した貸倒れは、貸倒損失で処理

 

 

得意先のカグヤ店が倒産してしまいました。

ユメノ店はカグヤ店に対する売掛金80円(前期に売り上げた分)を

貸倒れとして処理することにしました。

 

この時、仕訳はどのようになるでしょうか?

 

 

前期以前に発生した売掛金が貸倒れた時

 

前期に発生した売掛金には、前期の決算日において

貸倒引当金が設定されています。

 

貸倒引当金は決算日に設定されるので、

当期に発生した売掛金には貸倒引当金が設定されていません。

 

そのため、当期に発生した売掛金が貸し倒れた時は

全額、貸倒損失(費用)として処理します。

 

 

例題を解きながら、一緒に考えていきましょう。

 

 

例題

<取引> ×2年3月7日

 

得意先のカグヤ店が倒産し、前期に発生した売掛金80円が貸し倒れた。

なお貸倒引当金の残高が10円ある。

 

 

ここまでの知識で仕訳をうめると…

(貸倒引当金)10 売掛金)80
貸倒引当金は貸方の勘定科目ですが、
取り崩す時は借方に記入します

 

となりますね。

 

 

そして、貸倒引当金を超える金額

 

80円ー10円=70円         は

 

貸倒損失(費用)として処理します。

 

 

よって仕訳は、

(貸倒引当金)10  
(貸倒損失) 70 売掛金)80

 

 

となります。

 

 

 

【重要】貸倒れの処理 まとめ

 

貸倒れの処理をまとめると、以下のようになります。

 

発生した時期 処理の仕方
当期に発生した売掛金などの貸倒れ 全額、貸倒損失(費用)で処理
前期以前に発生した売掛金などの貸倒れ

貸倒引当金を減らす

⇓   
貸倒引当金を超える額は、

貸倒損失(費用)で処理

受取手形が貸し倒れた時も、処理は同じです

 

 

 

前期に貸倒処理した売掛金を回収したら、償却債権取立益で処理

 

 

カグヤ店が倒産した年の翌年の、1月21日。

ユメノ店は、前期に貸倒処理したカグヤ店に対する売掛金80円を

運よく回収することができました。

 

この時、仕訳はどうなるでしょうか?

 

 

前期に貸倒処理した売掛金を回収した時

 

前期以前に貸倒処理した売掛金が当期に回収できた時は、

貸倒引当金売掛金などの勘定科目は用いずに、

償却債権取立益(収益)の勘定科目で処理します。

 

 

 

例題を解きながら、一緒に考えていきましょう。

 

 

 

例題

<取引> ×3年1月21日

 

前期(×2年度)に貸倒処理したカグヤ店に対する売掛金80円を、

現金で回収した。

 

 

仕訳は、

(現金)80 (償却債権取立益)80

 

となります。