ユメノオト

ラジオライフ

ラジオのちょっとトクする話

新しい食文化の取り組み ポケットマルシェとは

f:id:jyumeno:20200630144810p:plain

 

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回のユメノのラジオde新発見!は、SUNDAY'S POSTから。

 

食文化の新しい形についてお届けします♪

 

 

 

 

本題に入る前に…8月2日は何の日か、みなさんはご存知ですか?

 

 

正解は、カレーうどんの日です。

 

6月2日が横浜カレーの日、7月2日がうどんの日であることから、

8月2日はカレーとうどんを足して、カレーうどんの日になったのだとか。

 

何の変哲もない1日も、今日は何の日なのかについて

考えを巡らせてみると、いろいろな発見がありますよね。

 

 

「いただきます」を世界語に

 

メインパーソナリティー小山薫堂さん。

実は、2025年に開催が予定されている大阪万博

「いのちつむぐ」のプロデューサーの就任が決定しました!

 

おめでとうございます!

 

調べてみると…小山薫堂さん、放送作家なんですね。

 

すごい…  という私の呟きはさておき、

 

小山薫堂さんが具体的にどのようなプロデュースを行っていくのか。

 

 

それは、食を通してどんな未来が待っているのか

万博における食の未来についてという幅の広いテーマのプロデュース。

 

f:id:jyumeno:20200804132231j:plain

 

 

美味しさを追求する食もあれば、

人が生きているために食べている食もある。

 

環境問題や自然、それを利用した人間の文化などが絡まって、

一つの「食」ができています。

 

その「食」について考えて、未来に何を託すか

 

壮大なテーマであることは言うまでもありません。

 

小山薫堂さんは、この万博で1つやりたいことがあるそうです。

 

それは、「いただきます」を世界語にすること。

 

「いただきます」という言葉は、

食に対する感謝の気持ちがよく現れた言葉だと思います。

 

その感謝の気持ちが何かを解決するきっかけになるのではないか

小山薫堂さんは、そう仰っていました。

 

食べるということは、命をいただくということ。

それを忘れないようにしたいですよね。

 

食文化の新しい流れを構築 ポケットマルシェ

 

さて、それでは本題に入っていきましょう。

 

生産者から直接新鮮な食材を買うことができるオンラインマルシェ、

「ポケットマルシェ」の代表、高橋博之さんをゲストにお迎えして

ポケットマルシェの魅力や食べ物について伺うことができました。

 

 

ポケットマルシェはどんなサービス?

 f:id:jyumeno:20200804132153j:plain

 

ポケットマルシェは、文字通りポケットに入っている

スマートフォンでできるマルシェのことです。

 

全国各地の農家や漁師から、食材を直接コミュニケーションしながら

スマートフォンで買うことができるオンラインマルシェが、

ポケットマルシェです。

 

 

今までは、生産者が卸業者に送ったりJAに届けたりしていたのを、

自分で直接消費者に売ることができます

 

値段も自分で決めることができるので、

業者を通さずに全て自分で行うことができます。

 

ポケットマルシェに参加している生産者は、

北海道から沖縄まで全国で3,000人を超えているといいます。

 

 

難航する生産者の開拓

 

ポケットマネーを初めて、高橋さんがまず最初に直面した課題。

それは、生産者の開拓の難しさでした。

 

自然を相手にしている農家や漁師の人たちに、

「こういものがありますよ」とポケットマルシェのしくみを

メールで知らせても、反応が全くない。

 

そんな状態でした。

 

根強い不信感 どう払拭する?

 

そもそもメールを使っていない人が多い、ということも理由の1つですが

それ以上に根強かったのは、ネット販売に対する不信感でした。

 

「そんなうまい話があるのか」となかなか受け入れてもらえず

信頼を得るまでに時間がかかったといいます。

 

 

信頼を得るきっかけとなったのは、何だったのか。

 

高橋さんは、信頼を得るために日本全国を6周も回ります。

去年も47都道府県を回ったそうです。

 

各県で農家と業業従事者に集まってもらい、

自分がなぜこのサービスをしているのかを説明して

信頼を得て言ったのだとか。

 

高橋さん曰く、足で稼ぐしかない、と。

 

 

東日本大震災で痛感した、食べ物の裏側

 

どうしてこのサービスを始めようと思ったのか。

 

その大きなきっかけとなったのが、

9年前に起こった東日本大震災です。

 

東日本大震災が起こっていなければ、

このサービスはやっていなかったと言い切る高橋さん。

 

高橋さんの出身地は花巻の内陸部。被災地にもなっています。

 

東日本大震災を契機に、高橋さんは食べ物の裏側が見えていないことが

問題だと強く認識するようになりました。

 

震災のときだけではなく、日常から

食べ物の裏側を見てもらうことが重要だと高橋さんは考えます。

 

人が食べるものを育てる

 

そのプロセスと命の尊さを消費者に伝えつつ買ってもらえたら、

漁業や農家に興味を持って、それを仕事にする人が増えるのではないか

 

そんなことを思い、このサービスを始めたそうです。

 

 

生産者が直接伝えられることで、

消費者とやりとりすることができるこのサービス。

 

やり取りしていく中で、生産者にもファンができたり

応援してくれる人が出てくるというのも、

このサービスの魅力なのではないかと私は思います。

 

自分の口に中に入るものは、元をたどれば動植物の「命」です。

 

言われてみれば当たり前のことなのですが、

私たちはそのことを忘れがちですよね。

 

他の生き物の命で、自分の命をつなぐ

その行為こそが、「食べる」ということなのです。

 

だからこそ、食事をするときは「いただきます」と言うのです。

 

しかし、現在はそういうことに思いを馳せて

手を合わせる人はめっきり減りました

 

いなくなってしまった、と言っても過言ではありません。

 

これが、「食べ物の裏側が見えていない」ということなんです。

 

そのことが見えなくなってしまっているのは、

仕方のないことなのかもしれません。

 

しかし、食べ物の裏側が見えてくれば

「いただきます」と手を合わせる人も増えていくのではないか

 

いや、きっとそうなるはずだ、と信じて。

そう高橋さんは熱く語っていました。

 

私たちが、せわしない日常の中ですっかり忘れてしまっていたこと。

とても大切なことを思い出させてくれたと、私は感じました。

 

 

生きることは食べること

 

実際にポケットマルシェに参加している、

三重県の漁師の方の声も聞くことができました。

 

 

三重県度会(わたらい)郡南伊勢町阿曽浦(あそうら)。

 

そこは、伊勢神宮で知られる伊勢から車で約1時間ほどの場所にある

山あいの道を抜けたところにある小さな漁村です。

 

伊勢志摩国立公園の南端に位置する場所です。

伊勢志摩国立公園の特徴は、リアス式

 

入りくんだ湾と山の中に人が共存しているエリアになります。

 

f:id:jyumeno:20200804133359j:plain

 

入りくんでいるので海に面している場所が多い。

その分、山に降り注いだ雨水が地中を通りミネラルとして海に注がれます

 

そのため、海自体が豊かなのです。

 

取材した漁師の方は、主にマダイの養殖を行っています。

 

波止場に寄せられたいけすから、1匹ずつ網でマダイが船に水揚げされ

それを専用の道具でその場でしめていきます。

 

 

養殖は、人に食べてもらうために育てているものです。

 

サイズや形を分けたうちのいくつかが、伊勢マダイという

三重県のブランド品になります。

 

海藻を練り込んだ餌を与えることによって、

より人に好まれるような魚を育てているそうです。

 

f:id:jyumeno:20200804133630j:plain

 

田舎で暮らす、というのをスローライフといいますが

時間の動きはとても早いと漁師の方はいいます。

 

1秒1秒によって色も変化するし、空気も感じる。

風や雨もお日様の温もりも感じる。

 

同じことは1つもない。天災、台風などの危険も含めて。

 

そう話す漁師の方でしたが、それでも居心地がいい、と話していました。

 

漁師の仕事のやりがい。それは、人が喜んでくれること。

「ごちそうさま」という言葉が、心に1番響くといいます。

 

最近は生産者と消費者、それぞれの価値観が変わってきた

漁師の方は話します。

 

生産者が見える前に、全てのところで金額が見えていたのが

今までの流れでした。

 

しかし今現在の流れでは、値段だけでなく消費者が

その背景(つまり、食べ物の裏側)を見てくれるようになったようです。

 

ポケットマルシェに参加して、

そのことがより顕著に伝わってくるようになったそうです。

 

今まではいろんな努力をして売ることを考えていたと話す漁師の方。

しかし、飲食店やレストランなどでの卸の際に壁ができてしまい、

なかなか良い結果に結びつかなかったこともあったのだとか。

 

それが今回、ダイレクトに食卓に食材を届けることができ

消費者からのコメントももらうことができます

 

コメントは、良いものだけではありません。

 

忠告やアドバイスなども含めてダイレクトに入ってくることで、

非常に勉強になっているそうです。

 

これが良い形になっていくといいですよね。

 

 

この新たな取り組みが、新しい「ごちそうさま」を生み、

それが結果として環境へとつながっていく。

 

こうした動きが、日本中で少しずつ起きようとしています。

 

 

 

ここでご紹介した漁師の方ですが…

 

実は、YOUTUBEで「魚のさばき方」という動画をアップしているそうです。

気になる方は是非調べてみてください!

 

 

ポケットマルシェで叶えていきたいこと

 

ポケットマルシェで叶えていきたいことについて、

高橋さんに伺いました。

 

高橋さんは、

何が自然で何が不自然かわからない世の中になってしまった

 

ということを非常に嘆いていらっしゃいました。

 

生きることは、食べること

 

裏側がわからないと、スマートフォンの充電のように

栄養補給だけを目的とした食事になってしまいます。

 

しかし、その背景がわかると何が自然で何が不自然なのかが見えてきます。

 

消費者と自然をつなげていけたら、と高橋さんは話します。

 

共感できる人に買ってもらい、その生産者のファンになる。

豪雨で被災してしまった地方の人を応援したい、と

購入を決めるなんてこともありますよね。

 

ふるさと納税のようなしくみでもあるのかな、とふと思ったりもしました。

 

新しい食文化の取り組み、ポケットマルシェ。

新しい流れが、加速しそうです。

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

 

またまた長くなってしまいましたが…

今回はこのあたりで。

 

次回もお楽しみに…♪