心の健康問題に対する誤解
みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回は、「心の健康問題に対する誤解と、正しい考え方」について
書いていこうと思います。
>この記事はこんな方におすすめ!
心の健康問題には、様々な誤解や偏見が存在します。
メンタルヘルスケア対策を進める上では、
これらの誤解を払拭することが大切になってきます。
誤解① メンタルヘルス不調は、心の弱い人の問題である
メンタルヘルス不調は、
個人に資質があれば軽度のストレスでも起こりますし、
資質がなくても強いストレス状況下でも起こることがあります。
つまり、メンタルヘルス不調は
個人の問題ではなく、職場というシステムの問題でもあるのです。
心の病が増加傾向にあるのは30代
公益財団法人日本生産性本部が2014年に実施した調査によると、
過去3年間において企業内の「心の病」が増加傾向にあると答えた企業が29.2%、
心の病が最も多い年齢層は30代であると答えた企業が38.8%と報告されています。
長期病欠している人の6割以上が精神疾患を抱えている
文部科学省の調査では、2014年度に休職した効率の教職員の61.0%は
うつ病などの精神疾患で、過去10年間で1.4倍になっています。*1
また、人事院の「平成23年度国家公務員長期病休者実態調査」によると、
2011年度に1ヵ月以上長期病欠した原因の1位がうつ病などの
精神疾患(64.6%)でした。
メンタルヘルス不調は、誰でもなる可能性がある
メンタルヘルス不調は、「心の弱い人」や「気合の足りない人」など
特殊な人の問題だという誤解がありますが、そんなことはありません。
メンタルヘルス不調は、誰もがなる可能性があります。
対策の主なターゲットは「うつ病」が中心となります。
特定の個人へのアプローチで終わらせることなく、
職場環境の改善やメンタルヘルス対策の浸透、
管理監督者の対処能力向上を図るなど、職場の問題として対処し、
メンタルヘルス不調者を手遅れにならないうちに
医療につなげるシステムを構築することが大切です。
脆弱性ストレスモデル
メンタルヘルス不調は、発病脆弱性(個人の病気のなりやすさ )と、
ストレスを引き起こす環境が絡み合って起こると考える説が、
脆弱性ストレスモデルというものです。
発病脆弱性は、遺伝などの生来の素質だけではなく
学習や経験などで培ってきたストレスへの対処力も深く関係します。
メンタルヘルス不調は、早期に発見することで
ライフスタイルを改善したり、ストレスを上手く処理することで
防ぐことができます。
この脆弱性モデルが使われます。
誤解② メンタルヘルス対策には経営上の利点がない
人的資源管理が最重要テーマ
メンタルヘルス不調者や自殺者は、
一定の要件を満たせば労災認定される傾向にあり、
業務との関連が認められるメンタルヘルス不調者に対しては、
事業者の管理責任が問われる傾向にあります。
企業にとってメンタルヘルス対策を講じることは、
人的資源管理面の最重要テーマとなっているのです。
2010年の調査では、
腰痛、脳卒中、虚血性心疾患、下気道感染症などの16の原因によって、
日本人の健康損失の大半が生じていることがわかりました。
日本人の健康損失の16の原因
日本人の健康の損失の原因である16の原因がわかってきました。
その原因は以下の通りです。
23位と24位には不安障害と統合失調症が挙がっています。
メンタルヘルス対策不足による弊害
メンタルヘルス対策には、
「経営上はプラスにならない」「経営とはあまり関係ない」という誤解がありますが、
メンタルヘルス対策が不十分の場合、3つのデメリットがあります。
それは…
このような損失を出さないためにも、
メンタルヘルス対策を十分に行っていきましょう!
その他の誤解
「メンタルヘルス不調は治らない」
「メンタルヘルス不調は、遺伝によって起こる」
といった誤解があります。
まず、「統合失調症は、さまざまな経過をたどるが、約3分の1は医学的にも
社会的にも完全に回復する」*3とされており、
次に、精神障害者の割合は、日本では人口の約2%以上となっていますが、
刑法犯の全検挙数に対して精神障害者が占める比率は約1.4%にすぎず、*4精神障害者を危険視するのは誤りです。
最後に、メンタルヘルス不調は単純な遺伝性疾患ではなく
「脆弱性ストレスモデル」によって病態理解することが主流となっています。
まとめ
◎メンタルヘルス不調の脆弱性ストレスモデルでは、個人の素因だけではなく、
環境要因や個人が経験から学んだストレス対処力も考慮する
◎自殺は業務との関連が認められれば、管理責任が問われる
◎メンタルヘルス不調は、誰にでも起こりうる