過重労働が及ぼす健康への影響
みなさん、こんばんは。
愛原 夢音です♪
今回は、「過重労働が及ぼす健康への影響について」です。
近年の労働者の健康状態と、
過重労働やストレスが引き起こす健康障害について書いていこうと思います。
この記事はこんな方におすすめ!
健康診断で異常を指摘される労働者が増加
定期健康診断において異常所見を指摘される従業員(有所見者)の比率は、
毎年増加する傾向にあり全労働者の53.6%を占めています。
最も有所見率の高い項目は、血中脂質です。
脂質異常症は、高血圧、高血糖とともに動脈硬化を促進する危険因子です。
そのまま放置すると脳血管疾患や心疾患、循環器疾患を発症しやすくなりますので、
注意が必要です。
過重労働やストレスが健康障害を引き起こすメカニズム
過重労働(長時間労働)がどのように関係して従業員の健康を害するのか、
この因果関係は科学的に完全に証明されているわけではありません。
しかし、過重労働やストレスという要因が健康障害を引き起こすメカニズムについては次のような想定がされています。
生体的な反応
①過重労働などのストレスは、恒常的に交感神経系と内分泌系を刺激して
アドレナリンやノルアドレナリンの分泌を亢進させる
※交感神経系 : 活動・緊張・ストレス状態で活性化する
副交感神経系: 休息・回復・リラックス状態で活性化する
②血圧が上昇し、血糖値を上げて代謝のバランスをがくずれる
生活習慣への影響
①ストレスがたまると気分が不安定になり、喫煙や飲酒の量が増えたり、
食事の量が増えたりする。
また、過重労働で帰宅時間が遅くなると休息の時間が減り、
運動不足になりやすくなる。
②このような乱れた生活習慣は高血圧症、高脂血症、糖尿病を悪化させ、
動脈硬化を進行させて結果的に過労死の危険性を高める
過労死
過労死とは、
「過度な労働負担が誘因となって、高血圧や動脈硬化などの基礎疾患が悪化、
脳血管疾患や虚血性心疾患、急性心不全などを発症し、永久的労働不能又は
死に至った状態」と定義されています。*1
※過労死についてはこちらの記事にもまとめているので、
こちらも是非チェックしてみてください。
話を元に戻します。
このマニュアルでは、過重労働を原因とするメンタルヘルス不調についての
定義はされていません。
しかし、「精神障害の労災認定の基準に関する専門委員会」(2011年11月)は、
過重労働(長時間労働)とメンタルヘルス不調との因果関係を認めました。
過重労働で帰宅時間が遅くなると睡眠不足となり、
睡眠による疲労回復が困難になります。
過重労働は、身体面だけでなくメンタルヘルスの面においても
良くない影響を及ぼすといえます。
また、2014年11月に過労死等防止対策推進法が施行されました。
これは過労死などに対する社会の認知を高め、
過労死防止の対策を進める目的としたものです。
実態調査や情報収集の義務がありますが、
労働時間の具体的制約といった規制がされたわけではありません。
まとめ