ユメノオト

ラジオライフ

ラジオのちょっとトクする話

ストレス反応はどのように現れるのか?

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、「ストレスの現れ方」についてです。

 

ストレス反応はどのような面で現れるのか、

仕事ぶりに現れる変化にはどのようなものがあるのかを書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

変化は身体・心理・行動面に現れる

 

ストレス反応は、「身体面」「心理面」「行動面」に現れます。

 

 

長時間ストレスにさらされたり強いストレスを受けたりした場合は、

ストレス要因の種類に関係なく同じ反応が生じます。

これを、汎適応症候群といいます。

 

 

また、ストレス反応はストレスを受けた直後に生じやすい「急性反応」と、

長期間ストレスを受けたことで生じやすくなる「慢性反応」とに分けられます。

 

 

身体的反応

 

急性反応 動悸、発汗、顔面紅潮、胃痛、下痢、震え、
筋緊張、めまいなど
慢性反応 疲労、不眠、循環器系症状、消化器系症状、神経筋肉系症状、
内分泌の異常(糖尿病など)、倦怠感、不定愁訴など

 

 

特徴

・「具合の悪さ」として体感されやすい。自分で気づきやすい。

 

 

心理的反応

 

急性反応 不安、緊張、怒り、興奮、混乱、落胆、焦燥感など
慢性反応 不安、短気、抑うつ無気力(何もかもが嫌だ)、イライラや不満
退職願望(会社を辞めたい)、億劫、自責感など

 

特徴

・「具合の悪さ」として体感されやすい。

 

 ・気付いても対処の仕方が難しい。

 

 ・「こうなったのは自分の性格が弱いから」「自分がしっかりしていないから」と

 自責的に認知してしまう。

 

・逆に他罰的になって職場を批判的に捉えてしまい、

 職場の人間関係がうまくいかなくなる場合もある。

 

 

◇行動的反応

 

急性反応 回避、逃避、エラー、事故、口論、喧嘩、どなる など
慢性反応 遅刻、早退、欠勤、作業能率の低下、大酒、喫煙、過食、
趣味をしなくなる など

 

 

特徴

・自分では気付かなくても、周囲の人が気づきやすい。

 

 

仕事ぶりに現れる反応

 

 

職場では、ストレス反応が仕事ぶりや出勤状況に現れます。

 

いつもなら間に合うような仕事も期限に間に合わなくなったり、

取引先からの苦情が目立つようになります。

 

 

上司に指摘された場合は、

素直に自分の状況を振り返ってみることが必要です。

 

 皆さんも、チェックしてみてください!

 

 

職場でみられる「いつもと違う」様子

 

職場でみられる「いつもと違う」様子*1

 

 

①遅刻、早退、欠勤が増加

②休みの連絡が無い(無断欠勤がある)

③残業、休日出勤が不釣り合いに増える

④仕事の能率が悪くなる。思考や判断力が低下する

⑤報告や相談、職場での会話がなくなる(あるいはその逆)

⑥表情に活気がなく、動作に元気がない(あるいはその逆)

⑦不自然な言動が目立ち、同僚と言い争いになったりする

⑧仕事のミスや事故が目立つ

⑨服装が乱れたり、衣服が不潔になったりする

 

 

 

 

まとめ

◎行動面の変化は「急性反応」と「慢性反応」とに分けられる

 

◎「最近、元気がない」というのは、心理面の変化の「慢性反応」である

 

◎身体面の変化には、身体疾患が含まれる

 

◎仕事のミスが増えて目立ってくるのは、「仕事ぶりの変化」といえる

 

*1:出典:厚生労働省「職場における健康づくり」の『「いつもと違う」部下の変化』より改変

メンタルヘルス不調予防の対策とは?

みなさん、こんばんは。

愛原夢音です♪

 

今回は、「早期対応の重要性」についてです。

 

事業者が取り組むべき対策と、

メンタルへルス不調の早期対応で気をつけることについて書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

メンタルヘルス不調を予防するために

 

過重労働や不調を予防するきっかけとして、

メンタルヘルス不調に至る従業員が増加しています。

 

 

予防のためには、次のような工夫をするとよいとされています。

 

 

メンタルヘルス不調予防の対策

 

①自分で残業時間の限度を決めて、その範囲を守るようにする

 

②1週間に最低1日の休日を確保する

 

③業務の進捗状況を把握して、週末は休みを取るようにするなど

 メリハリのある生活を心がける

 

 

ストレス状態に気づくことが、メンタルヘルス不調の早期発見につながる

 

メンタルヘルス不調は、心理的なものであるだけに

発症の状態が第三者にはわかりにくいという特徴があります。

 

 

ストレスに気づくことができればそれに対処する行動が取れるので、

まずは自分のストレス状態に気がつくことが肝要です。

 

 

メンタルヘルスの初期段階には、次のような特徴があります。

 

①一時的な心理的反応なのか、すでに病的なレベルの問題になっているのか、

 重症度の判断がつきにくい

 

②人によって、ストレスの現れ方が異なる。

 「気分が沈む」「やる気にならない」などの心理面に現れる人、

 微熱、腰痛、食欲不振などの身体面に出る人など、様々である

 

③本来は本人が最初に不調に気付くはずだが、

 本人の判断力が低下していると、第三者の指摘で初めて気づくことがある

 

 

 

心身の不調を感じたらやるべきこと

 

心身の不調を感じたら、次のような対応をしましょう。

 

①ストレスの原因について考える。

 事実を客観的に分析し、自分の心身の不調との関係を整理してみる。

 

②体調の回復を優先して、問題の解決に取り組む。

 

メンタルヘルス不調の問題は、独力で対処できないことが多いので周囲に相談する。

 自発的に相談する行為自体が問題解決のきっかけとなる。

 

④友人や家族、職場の同僚、産業医など、三者に協力を求める

 

⑤不調の背景には個人の既往歴や、性格傾向、家族の状況などが絡むことが多いので、

 安易な自己判断はしない

 

 

事業場内システムを整備して、早期に対応する

 

事業者が労働者の健康管理について真っ先に取り組むべきなのは、

産業保健スタッフの選任と、健康診断・保健指導の適切な実行です。

 

具体的には、

定期健康診断、深夜残業などの特定業務従事者への6ヵ月以内ごとの健診

過重労働者やストレスチェックの結果による医師面接の実施などを行うことで、

体調不良の早期発見につながります。

 

また、こうしたシステム化により労働者と産業保健スタッフの接点が増え、

信頼関係ができることも、相談しやすさの向上などにつながります。

 

職場にはもともと、日常の人間関係を通じて管理監督者が労働者の体調不良に

気付くシステムがあります。

上記の健診などはそれを補完する早期発見システムといえます。

 

 

まとめ

メンタルヘルス不調の初期症状は、身体面ではなく心理面に現れる人もいる

 

メンタルヘルス不調の多くは、自力で解決できないので周囲の助けが必要

 

◎深夜残業を含む業務に常時従事する労働者に対しては、

 6ヵ月以内ごとに1回の健康診断の実施が必要である

 

 

 

安全配慮義務と自己保健義務

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、「安全配慮義務と自己保険義務」についてです。

 

 

 

 

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

事業者による「安全配慮義務

 

 

2008年3月施行の労働契約法において、安全配慮義務は次のように明文化されました。

 

労働契約法5条(労働者の安全への配慮)

 

使用者(事業者)は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を

確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」

 

安全配慮義務については、こちらの記事にまとめていますので

こちらも是非読んでみてください。

 

jyumeno.hatenablog.com

労働者による「自己保健義務」

 

 

自己保険義務とは?

 

 

労働者の安全と健康、労働災害を防止するためには、

事業者による災害防止の措置(安全のためのルール)だけではなく、

労働者による災害防止措置への積極的な参加と協力、

自分自身の健康を管理する努力が必要です。

 

このように、労働者が安全と健康に対して主体的に取り組み、

様々な義務を果たすことを自己保健義務といいます。

 

健康診断で「脂質異常症」と指摘されたら、

医療機関を受診して食生活を見直す努力をするというように、

自身の健康を主体的に管理することが自己保険義務にあたります。

 

 

ストレスチェックの活用も自己保健義務

 

 

また、2015年12月よりストレスチェックが施行されました。

受験者である労働者は、自分のストレスチェックの結果、点数が高い場合に

医師による面接指導を受けることも可能です。

 

チェックの結果を活用して心身の健康を維持することも、

労働者の自己保健義務といえます。

 

自己保健義務は、労働安全衛生法で使用されている用語ではなく

概念を意味しますが、労働安全衛生法では次のように示されています。

 

 

労働安全衛生法における自己保健義務  

 

 

労働災害防止義務(4条)

 

(労働者の責務)

「労働者は、労働災害を防止するため必要事項を守るほか、事業者その他の関係者が

実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない。」

 

 

 

健康診断の受診義務(66条)

「労働者は、全各項の規定により事業者が行う健康診断を受けなければならない。

ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行う健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行うこれらの規定による健康診断に相当する

健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りではない。」

 

 

 

保健指導後の健康管理義務(66条)

 

「労働者は、前条の規定により通知された健康診断の結果及び前項の規定による

保健指導を利用して、その健康の保持に努めるものとする。」

 

 

健康の保持増進義務(69条)

「労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、その健康の保持増進に努める

ものとする。」

 

 

上記からもわかるように、自己保健義務は

健康診断で指摘された異常値に対して回復のための適切な保健行動をとること、

及び必要な医療を受けて体調を管理することを意味します。

 

 

 

まとめ

安全配慮義務は事業者が労働者に対して負っている労働契約法の上の債務である

 

◎健康診断の受診義務は、労働安全衛生法に規定されている

 

◎自己保健義務は、労働安全衛生法にこれを裏付ける規定がある

 

◎保健指導後の「健康管理義務」は、有所見と診断された労働者の健康の保持増進に

 寄与しなければならないという労働者の義務である

 

 

過重労働が及ぼす健康への影響

 

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

今回は、「過重労働が及ぼす健康への影響について」です。

 

近年の労働者の健康状態と、

過重労働やストレスが引き起こす健康障害について書いていこうと思います。

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

健康診断で異常を指摘される労働者が増加

 

定期健康診断において異常所見を指摘される従業員(有所見者)の比率は、

毎年増加する傾向にあり全労働者の53.6%を占めています。

 

最も有所見率の高い項目は、血中脂質です。

 

脂質異常症は、高血圧、高血糖とともに動脈硬化を促進する危険因子です。

そのまま放置すると脳血管疾患心疾患、循環器疾患を発症しやすくなりますので、

注意が必要です。

 

 

過重労働やストレスが健康障害を引き起こすメカニズム  

 

 

過重労働(長時間労働)がどのように関係して従業員の健康を害するのか、

この因果関係は科学的に完全に証明されているわけではありません

 

しかし、過重労働やストレスという要因が健康障害を引き起こすメカニズムについては次のような想定がされています。

 

 

生体的な反応  

 

①過重労働などのストレスは、恒常的に交感神経系内分泌系を刺激して

 アドレナリンやノルアドレナリンの分泌を亢進させる

 

 ※交感神経系 : 活動・緊張・ストレス状態で活性化する

  副交感神経系: 休息・回復・リラックス状態で活性化する

 

 

②血圧が上昇し、血糖値を上げて代謝のバランスをがくずれる

 

 

 

生活習慣への影響 

 

①ストレスがたまると気分が不安定になり、喫煙や飲酒の量が増えたり、

 食事の量が増えたりする。

 

 また、過重労働で帰宅時間が遅くなると休息の時間が減り、

 運動不足になりやすくなる。

 

②このような乱れた生活習慣は高血圧症、高脂血症、糖尿病を悪化させ、

 動脈硬化を進行させて結果的に過労死の危険性を高める

 

 

 

 

過労死 

 

過労死とは、

 

「過度な労働負担が誘因となって、高血圧や動脈硬化などの基礎疾患が悪化、

脳血管疾患や虚血性心疾患、急性心不全などを発症し、永久的労働不能又は

死に至った状態」と定義されています。*1

 

 

※過労死についてはこちらの記事にもまとめているので、

 こちらも是非チェックしてみてください。

 

 

 

jyumeno.hatenablog.com

 

 

 

話を元に戻します。

 

このマニュアルでは、過重労働を原因とするメンタルヘルス不調についての

定義はされていません。

 

しかし、「精神障害の労災認定の基準に関する専門委員会」(2011年11月)は、

過重労働(長時間労働)とメンタルヘルス不調との因果関係を認めました。

 

 

過重労働で帰宅時間が遅くなると睡眠不足となり、

睡眠による疲労回復が困難になります。

 

過重労働は、身体面だけでなくメンタルヘルスの面においても

良くない影響を及ぼすといえます。

 

また、2014年11月に過労死等防止対策推進法が施行されました。

 

これは過労死などに対する社会の認知を高め、

過労死防止の対策を進める目的としたものです。

 

実態調査や情報収集の義務がありますが、

労働時間の具体的制約といった規制がされたわけではありません。

 

 

 

 

まとめ

◎定期健康診断における有所見の比率は毎年上昇しており、

 何らかの異常所見のある従業員の割合は、受診者のおよそ5割である

 

◎過重労働による睡眠不足により、身体的疲労感の回復は困難になるが

 心理的な面にも影響はあり、心身両面において健康障害が発生しやすくなる

 

◎血中脂質に所見ありと診断される従業員は増えている

 

◎死に至らなくても、永久的に労働ができない状態になった場合も過労死にあたる

*1:厚生労働省産業医のための過重労働による健康障害防止マニュアル」

プライバシーの配慮と注意点

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

 

今回は、「プライバシーへの配慮と注意点」についてです。

 

 

健康情報を取り扱う際に注意すべき点と、

安全配慮義務守秘義務の考え方について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

心の健康とプライバシーの配慮

 

労働者のメンタルヘルス情報は、労働者のプライバシー保護意思の尊重という

2つのバランスを取りながら、より慎重な取り扱いが求められます。

 

また、職場のメンタルヘルスに関係する多くの関係者には

プライバシーへの配慮が必要とされています。

 

 

 

◇プライバシー配慮を求められる関係者の例

 

事業者

 

管理監督者

 

事業場内産業スタッフなど

産業医・衛生管理者・保健師、人事労務管理スタッフ、

 心の健康づくり専門スタッフなど)

 

同僚の労働者*1

 

 

安全配慮義務守秘義務

 

労働者の健康に配慮する上で、

事業者は安全(健康)配慮義務を履行する必要があります。

 

安全配慮義務について忘れてしまった方は、ここでもう一度復習しておきましょう!

 

jyumeno.hatenablog.com

 

 

さて、話をもとに戻しましょう。

 

国内では、2008年より前は法的に明文化されてきませんでしたが、

2008年からは労働契約法5条で明文化されました。

 

また、関係者には守秘義務を履行することが求められ、

特に産業保健スタッフ(医師・保健師・看護師)については

次の法律の遵守義務と罰則規定があります。

 

 

◇関係者の守秘義務に対応する法

 

     
医師 刑法(134条1項)  
保健師・看護師 保健師助産師看護師法(42条2項)  
健康診断に携わる事務担当者 労働安全衛生法(104条)  
その他第三者 民法上の損害賠償責任を負う可能性*2  

 

 

 

 

個人情報保護法  

 

個人情報の取り扱いの意識が高まる中、

2015年9月に個人情報保護法が改正されました。

10年ぶりの改正となります。

 

 

個人情報とは、特定個人を鑑別できる情報の全てを指します。

 

この改正によって、個人情報保護の範囲が明確化されました。

 中でも病歴など特に慎重な取り扱いが求められる機微な個人情報を

要配慮個人情報」とすることになりました。

 

 

個人情報保護法の概要

   
義務を負う対象者

個人情報取扱事業者(取り扱う個人情報の数に関わらず

個人情報データベースなどを事業の用に供しているもの)

罰則 ある
主な規定 利用目的の特定と利用目的による制限
・取得に際しての利用目的の通知書
・データ内容の正確性の確保など
・情報漏れ防止のための安全管理措置や業委託先・従業員の管理
・第三者提供の禁止
・本人の求めに応じての公表など・開示・訂正など・利用停止など
・苦情の処理体制の整備
要配慮個人情報 ・原則、本人の同意を得て取得
・本人の同意を得ない第三者提供の特例(オプトアウト)から除外
・法令に基づく場合や、人の生命・身体・財産保護のために必要であって
 本人の同意を得ることが困難な場合には、同意なしに取得可能

 

また、医療関連分野に関する個人情報の保護については

次のガイダンスが発表されています。

 

・医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス

健康保険組合等における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス 

国民健康保険保険組合における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス

国民健康保険団体連合会等における個人情報の適切な取り扱いのためガイダンス

 

 

◇医療関連分野における個人情報の取り扱い

   
義務を負う対象者 個人情報取扱事業者
罰則 ガイダンスのため未設定
主な規定

医療・介護関係者や健保組合などが個人情報を適正に取り扱うよう、

遵守すべき事項や遵守することが望ましい事項を具体的に示している

 

個人情報保護と安全配慮義務

 

安全配慮義務を履行するために、個人の健康情報を提供する必要がある場合

産業保健スタッフ(産業医保健師など)から非医療職への情報提供については、

本人の同意を得る、また誤解や偏見が生じないよう情報を加工することが

望ましいと言われています。

 

 

しかし、緊急対応が必要な場合など、

状況によっては原則を遵守できないこともあります。

 

ケース次第で、顧客や同僚の安全が優先されることもありえます

 

 

しかし、その際にも本人に不利益が生じないよう配慮すること、

関係者が責任や立場だけで性急に判断しないことが大切です。

 

 

個人情報保護と安全配慮義務の両立のポイント

 

本人からの同意取得の努力をした上で、それでも同意が得られない場合は

「重要性・緊急性」と「プライバシーの保護」のバランスを考慮し、

必要最低限の情報を必要最低限の人のみ提供することを心がけましょう。

 

 

 プライバシー配慮の注意点

 

 

従業員のメンタルヘルスをはじめとした、健康に関する情報を取り扱う場合には

関係者は様々な角度から注意を払う必要があります。

 

従業員のプライバシーにかかわる情報については、法令に則り、

その収集及び管理、取り扱いやルールの取り決めについて

次のような注意や配慮が必要となります。

 

 

◇健康情報の収集

 

 ・健康情報の収集については、その収集目的が明確に特定されていることが

  大前提となる。これは個人情報保護法によって定められている。

 

 ・健康情報を収集する際は、原則本人からの同意を得る必要がある。

 

 

 

◇情報の管理

 

 ・健康情報の管理については、

  事業場に産業医保健師などの産業保健スタッフがいる場合、

  そうした医療職が責任を持って一元管理するのが望ましいとされている。

 

  医療職がいない場合は、情報を扱う者(衛生管理者など)を就業規則に定める。

  これにより、情報の正確な理解と厳格な守秘義務による管理が可能という

  利点がある。

 

 ・情報提供時は、必要に応じて加工して提供することが理想とされる。

 

 

 

◇情報漏洩の防止

 

 ・事業者は健康情報の漏洩を防止するため、物理的、技術的、人的、組織的な

  観点から厳重に安全管理を行わなければならない。

 

 ・その必要性を理解させるための教育研修の実施も必要。

 

 

◇取り扱い方法のルール化

 

 ・関係者が健康情報を適正に取り扱うために、

  事業者は衛生委員会などを利用して一定のルールを決めておく必要がある。

 

 

◇法令・規則の遵守

 

 ・健康情報をはじめとした個人情報については、

  本人のプライバシー保護を目的とした様々な法令や規則、指針などを

  遵守しなければならない。

 

 

 

プライバシーマーク制度

 

 ・プライバシーマークの認定を受けた事業者は、

  自主的により高い保護レベルの個人情報保護マネジメントシステムを

  確率・運用していることになる。

 

 

 

以上が、プライバシー配慮の注意点となります。

是非参考にしてみてください。

 

 

まとめ

◎健康情報の管理において、プライバシーの配慮を求められる関係者に、

 同僚の従業員は含まれる。

 

◎医師が守秘義務を遵守するための法令として、刑法がある。

 

◎健康情報をはじめとした個人情報を取り扱うために制定された、

 個人情報保護法の対象となる者は、個人情報保護取扱事業者と呼ばれる。

 

◎健康情報の管理は医師や看護師といった医療職が一元管理することが重要であり、

 このことは法律上では決められておらず、ガイダンスで望ましいとされている。

 

 

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

次回もお楽しみに…♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:職場で配慮が必要となった際、理解や協力が必要になる

*2:既定のない第三者にもプライバシー侵害による民事責任が生じる可能性がある

ストレス予防の効果的な方法

 

みなさん、こんばんは。

3月6日に発売された、NEWS加藤シゲアキくんのエッセイ集、

「できることならスティードで」を取りに行ってきました、愛原 夢音です♪

これから早速読みたいと思います。

 

さてさて、今回は、「ストレス予防の効果的な方法」についてです。

 

 

 

 

 

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

 

 

ストレス予防に効果的な休養・睡眠・運動・食事のそれぞれのポイントと、

ラクセーションの方法について書いていこうと思います。

 

 

 

 

ストレスの基本を押さえよう

 

ストレス対処のための様々な手法として、

ストレス予防の基本を押さえておく必要があります。

 

その基本となるのが、休養・睡眠・運動・食事です。

詳しく見ていきましょう。

 

 

休養が不十分だと生産性の仕事の質が低下

 

休養とは、心身の疲れを取り除いて気力や知力を回復させることです。

 

休養は、しっかりと休むことだけではありません。

自分の趣味や娯楽などにあてることで、

心持ちを豊かで余裕のある状態にすることも休養の大事な役割です。

 

休養が十分でない場合は心身の健康状態に支障が出て、

仕事の質や生産性の低下へとつながってしまいます。

 

管理監督者は、部下が十分休養できるように管理する必要があります。

 

 

5人に1人が抱えている睡眠トラブル

 

睡眠は、疲労やストレスの軽減、蓄積の予防にとても重要です。

 

統計によると、日本では現在5人に1人の割合で

不眠などの睡眠トラブルを抱えているといわれています。

 

睡眠に問題が生じると、日中の眠気、作業効率の低下、情緒不安定、

行動や判断のミスなどを引き起こし、労働災害などの事故につながります。

 

交感神経系の緊張が持続するので、うつ病などのメンタルヘルス疾患や高血圧、

糖尿病などの生活習慣病も引き起こす可能性があります。

 

快適な睡眠のために、厚生労働省が公表している「健康づくりのための睡眠指針」を

参考に、睡眠の取り方を振り返ってみることも大切です。

 

 

早朝に目が覚めてしまって、その後寝付けない、熟睡感がない、

日中の強い眠気、激しいいびきなどの自覚症状がある場合 、

専門家へ相談する必要があります

 

 

 

健康づくりの睡眠指針 2014〜睡眠12箇条〜

 

(1)睡眠で、身体も心も健康に

 

  ・睡眠不足や睡眠の質の悪化は生活習慣病のリスク、

   不眠はうつ病などの心の病のリスクがある。

 

  ・日中の眠気は、ヒューマンエラーによる事故のもとになる。

 

 

(2)適度な運動、しっかり朝食、眠りと目覚めのメリハリを

 

  ・適度な運動習慣は入眠を促進し、途中覚醒を減らす。

   朝食は目覚めを促す。

 

  ・就寝前の飲酒・喫煙は睡眠の質を悪くし、睡眠時無呼吸のリスクが増加。

   カフェイン摂取も睡眠を浅くする。

 

 

(3)良い睡眠は、生活習慣病の予防につながる

 

  ・睡眠不足や不眠の解消で、生活習慣病の発症を予防。

 

  ・睡眠時無呼吸症候群を治療しないと、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中などの

   危険性が高まる。肥満や過体重は、睡眠時に気道(喉の空気の通り道)が

   詰まりやすくなるので注意が必要。

 

 

(4)睡眠による休養感は、心の健康に重要

 

  ・不眠症状は心の病の可能性あり。うつ病になると約9割の人が不眠症を伴う。

 

  ・睡眠による休養感が得られないと、

   注意力・集中力・意欲の低下・頭痛や消化器系の不調などが現れる

 

 

(5)年齢や季節に応じて、昼間の眠気で困らない程度の睡眠を

 

  ・必要な睡眠時間は人それぞれ。

   日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番。

 

  ・加齢で睡眠時間が徐々に短くなるのは普通のこと。

   早寝早起きの朝型化は男性に顕著。

 

 

(6)良い睡眠のためには、環境づくりも重要

 

  ・ぬるめの入浴など自分に合ったリラックス法が、眠りへの心身の準備となる。

 

  ・寝室や寝床の温度・湿度、明るさ、音などの調節で、睡眠に適した環境づくり。

 

 

(7)若年世代は夜更かしを避け、体内時計のリズムを保つ

 

  ・子供には規則正しい生活を。

   目覚めたら光を取り入れて、体内時計をリセット。

 

  ・休日に遅くまで寝床で過ごすと、夜型化を促進させてしまう。

 

 

 

(8)勤労世代は疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠

 

  ・寝不足は仕事の能率を低下させ、睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる。

 

  ・午後の早い時間に30分以内の昼寝で眠気をやり過ごすと、

   作業効率の改善に効果的。

 

 

 

(9)熟年世代は朝晩メリハリ、昼間に適度な運動で良い睡眠

 

  ・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る。

   年齢に合った睡眠時間を大きく超えないようにする。

 

  ・適切な睡眠時間の確保は、

   日中しっかり目覚めて過ごせているかも目安の一つになる。

 

 

(10)眠くなってから寝床に入り、起きる時間は遅らせない

 

  ・就寝時刻にこだわりすぎず、眠たくなってから寝床につく。

 

  ・眠りが浅い時は、むしろ積極的に遅寝・早起きに。

 

 

 

(11)いつもと違う睡眠には、要注意

 

  ・睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、

   手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしり感は要注意。

 

  ・眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談。

 

 

(12)眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を

 

  ・自らの工夫では睡眠の問題が改善しないと感じたら、早めに専門家に相談する。

 

  ・睡眠薬などで治療を受ける際は、医師に指示された用法・用量を守り、

   薬剤師の具体的な服薬指示を受ける。お酒と睡眠薬を同時に飲むのは危険。

 

 

※出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」を元に作成

 

 

 

運動がストレス解消に効果アリ

 

運動やストレッチは、ストレス解消気分の改善に役立ちます。

 

うつ病の症状改善に効果があるといわれている

脳内物質エンドルフィンなどを増加させたり、

睡眠の質を高めたりすることが認められています。

 

 

バランスの取れた食事が抑うつ予防に

 

規則正しく栄養のバランスの取れた食事を心がけることが重要です。

 

抑うつ予防には1日3回の食事を取り、ストレス耐性を高めるために

ビタミンB・ビタミンC、タンパク質、カルシウム、マグネシウム

とるようにしましょう。

 

 

ストレスを開放するリラクセーション法

 

日々蓄積されるストレスから自身を開放して

リラックスした状態をつくるために、様々なリラクセーション法があります。

 

ここからは、リラクセーション法について書いていきたいと思います。

 

 

ラクセーションを行う際の4つのポイント

 

まずは、リラクセーション法の前にリラクセーションの実践する際の

4つのポイントを押さえておきましょう。

 

4つのポイントは、以下のとおりです。

 

①楽な姿勢、服装で行う

 

②静かな環境で行う

 

③言葉や音楽、イメージにより心を向ける対象をつくる

 

④受動的態度で行う

 

このポイントを押さえながら、リラクセーションを行いましょう。

 

それでは、リラクセーション法についていくつかご紹介します。

 

呼吸法

 

呼吸には、胸式呼吸と呼ばれる胸部のみの浅く早い呼吸と

腹式呼吸と呼ばれる横隔膜を上下させるゆったりとした呼吸の2種類があります。

 

腹式呼吸は、皆さんも一度は聞いたことがあるかと思います。

合唱をしている方や、アナウンサーなどが実践する発声練習、

歌手の方が歌を歌うときの発声にも、腹式呼吸が使われています。

 

リラックスできていないときは胸式呼吸になっていることが多いため、

腹式呼吸に切り替えて、深くゆっくりしたリズムで

自身をリラックスさせるようにしましょう。

 

 

腹式呼吸のやり方

 

腹式呼吸ができるようになると、声にも張りが出てきます。

声が小さくて聞き返される…なんてこともなくなってきますよ!

 

それでは、腹式呼吸のやり方について説明しますね。

 

 

①軽く目を閉じます。

 

②まず、ゆっくりと息を吐きます。

 ※お腹に両手を充てながら行ってくださいね。

 

③ゆっくりと鼻から息を吸います

 ※お腹を膨らませてください。

 

④ゆっくりと口から息を吐きます。

 ※お腹をへこませましょう。

 

⑤ ③と④を交互に繰り返します。

 

※最初は3分間を目安に、徐々に伸ばしていくのもいいですよ♪

 

 

漸進的筋弛緩法

 

リラックスできていないとき、体は委縮します。

 

こうした不安や緊張している際の筋肉の状態を徐々に緩めていくことで、

リラックス感を得る手法が、この漸進的筋弛緩(ぜんしんてききんしかん)法です。

 

 

ここでは、腕の場合と肩の場合の2つをご紹介します。

 

 

腕の場合

 

①両腕に力を入れて前方に伸ばし、握った拳と前腕部に力を入れます。

 

②力を入れて腕を折り曲げて、上腕にも力を入れます。

 

③力を入れた腕を再び前に伸ばし、手のひらを広げ指に力を入れます。

 

④その後力を抜き、リラックスします。

 

 

 

肩の場合

 

 

①両肩に力を入れ、肩をすぼめて薬10秒間維持します。

 

②息を吐きながら力をすっと抜いて、すぼめた肩を落とします。

 

③肩を落とした際にリラックスします。

 

 

 

自律訓練法

 

自律訓練法は、自己暗示により不安を緩和させ、筋肉の緊張を弛緩させて

心身をリラックスさせるリラクセーション法です。

 

習得には1ヵ月ほど時間がかかるので、焦らずじっくりとやっていきましょう。

何よりも継続することが大事です。

 

この方法は、心身症神経症などの治療に用いられています。

 

 

本来は「7つの公式」を使いますが、

以下のように簡単に重感(第1公式)と温感(第2公式)を体験する

ステップだけでも十分といわれています。

 

 

自律訓練法のやり方

 

①静かなところでゆったりと横になったり、椅子に座ったりします。

 ※横にならなくて椅子にも大丈夫です。椅子に座ってやってみましょう!

 

②目をつむりながら、深呼吸をします。

 

背景公式「気持ちが落ち着いている」と声に出さずに心の中で唱えます。

 

第1公式「両手両足が重たい」と声に出さずに心の中で唱えます。

 

第2公式「両手両足が温かい」と声に出さずに心の中で唱えます。

 

⑥最後に、消去動作(腕の屈伸、背伸びなど)を行います。

 

 

 

健康のための睡眠時間は、2日単位で考えて12~16時間が必要とされています。

しっかりと睡眠をとって、心身共に健康になりましょう!

 

 

まとめ

◎長期の睡眠不足は心身に与える影響として、うつ病の発症リスクの他、

 高血圧や糖尿病など生活習慣病の発症リスクも高めることがわかっている

 

◎ストレス予防における睡眠の重要性が認められている中、現在日本では

 5人に1人の割合で睡眠に関する何らかの問題を抱えているといわれている

 

◎運動は定期的に行うことでストレス予防や気分改善に効果があり、

 食事に関しても1日3回規則的に取ること、またビタミンB・C、

 タンパク質、カルシウム、マグネシウムの摂取を心がけることが良いと

 いわれている

 

◎効果的なリラクセーション法として、呼吸法や漸進的筋弛緩法、

 自律訓練法などが挙げられる

 

 

 

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

次回もお楽しみに…♪

 

 

管理監督者の効果的なセルフケア方法とは

みなさん、こんばんは。

愛原 夢音です♪

 

 

今回は、「管理監督者に効果的なセルフケア方法」についてです。

 

 

管理監督者のセルフケアが必要な理由と、

効果的なセルフケアの方法について書いていきたいと思います。

 

 

 

この記事はこんな方におすすめ!

 

管理監督者を取り巻くストレス

 

管理監督者には、職場でラインケアを推進することが求められています。

その一方で、自身のセルフケアにも注意する必要があります

 

「労働者の心の健康の保持増進のための指針*1には、

管理監督者もセルフケアの対象者として含められています。

 

 

管理職が陥りやすいメンタル不調

 

管理職が陥りやすいメンタルの不調には、以下のようなものがあります。

 

 

◇管理職が陥りやすいメンタル不調

 昇進によるうつ 責任の増大、部下の指導、残業代なしといった影響
中間管理職の不調 上司と部下との板ばさみによるストレスの発生
名ばかり管理職の問題 十分な権限や裁量がない状態での過酷な長時間労働
ストレスを受けやすいのは、真面目で几帳面な人

 

真面目で几帳面な人や他人との円滑な人間関係の維持に気を遣うような人は、

ストレスを受けやすいと考えられています。

 

管理監督者であるために、負担が増えることもあります。

 

 

ストレス対策としては、セルフケアによるストレスへの気付き、ストレス対処、

自発的相談が基本となりますが、それぞれの管理監督者に合わせたケアが必要です。

 

 

管理監督者が取り組むべきストレス対応

 

管理監督者が取り組むべきストレス対応として、

職業性ストレス簡易調査票の活用があります。

 

ストレスチェック制度では、「上司の支援」が集団分析において点数化されます。

 

「上司の支援」の点数が悪い場合は、

当該上司がストレスを抱えている可能性も考えられるため、要注意です。

 

ただし、あくまでも部下の主観による評価なので客観的事実と異なる場合もあります。

状況をよく見ることが重要です。

 

 

管理監督者が取り組むべきストレス対応

ストレス対応 具体的内容
質問票の活用 定期的にストレスチェックを受験するなどのセルフチェック
質の良い睡眠 ・睡眠時間の確保

・飲酒機会増による睡眠の質の低下に注意
自己表現 アサーションによるコミュニケーション力の向上
ラクセーション 自律訓練法、呼吸法
自発的相談 社内産業スタッフ、事業場外資源など、相談窓口の活用
教育研修 管理職自身のセルフケアの重要性を理解

 

 

 

 

まとめ

◎昇進などの喜ばしい出来事が、管理職にとってストレスになることがある

 

◎職業性ストレス簡易調査票は、自身のストレスの気付きに有効

*1:厚生労働省、2006年